学歴と情報処理技術者試験の合格率の関係
昨日,「高校レベルの英語・数学・国語を使いこなせるようにする」で書きましたが,仕事でも勉強でも,高校レベルの基礎学力というのはとても大切です。
そして,この基礎学力があるかどうかを確認するために,学歴を使う企業も多くあります。
ですので,同じ大学でも推薦入試やAO入試だと割り引く,大学名だけでなく高校名も気にする,といった話が出てくるのだと思います。
みんなが薄々感づいているはずの当たり前の事実として,学歴と情報処理技術者試験の間には,結構大きな関係があります。
学歴が高い,というより基礎学力が高い方が,勉強もやりやすいですし,短期間で合格しやすいからだとは感じています。
ちなみに,試験センターでは,「統計資料」で,最終学歴別の合格率が掲載されています。
例えば,先月発表された平成25年秋の基本情報技術者試験(FE)の最終学歴ごとの合格率は,グラフにすると次のようになっています。
※見やすくするため,高専と短大の順序を入れ替えています。
大学院卒だと,情報系で44.2%,情報系以外で43.5%となり,平均の21.0%の倍以上になります。
大卒だと,理工系の情報系が23.5%,文系の情報系が15.5%,情報系以外の理工系が24.3%,情報系以外の文系が20.5%となり,大体平均前後です。
高専卒だと,情報系で28.6%,情報系以外で21.4%となり,平均より高めです。
そして,ここまでの合格率と,それ以外では,大きく差があります。
短大卒は,情報系で7.7%,情報系以外で6.2%となり,平均の1/3ぐらいになります。
専門学校卒は,情報系で8.8%,情報系以外で8.9%となり,平均の半分以下になります。
高校卒は,情報系で9.8%,商業系で6.8%,工業系で8.4%,普通系・その他で13.6%となり,普通系以外は平均の半分以下です。
※小中学校は高いのですが,これは多分,最終学歴と言うより,現役の学生が受けてるんじゃないかと思います。
もちろん,個人によっての差はあるとは考えていますが,人数が多くなって傾向を確認すると,大きな差があるのは見て取れます。
また,基本情報技術者試験だけでなく,他の試験も合わせてみると,こんな感じになります。
(平成25年秋の合格発表はまだなので,平成25年春のデータです)
人数が少ないと変動が激しいので,時々例外(0%など)がありますが,だいたいの傾向は見て取れると思います。
全体的に,大学院卒と高専卒が高め,短大卒と専門学校卒が低めです。
また,大卒では,文系と理系の差は,基本情報技術者以外では見受けられません。
これは,アルゴリズムやプログラミングは,数学的な思考力が多く要求されるからかな,と考えています。
それ以外の区分では,国語力の方が重要な気がしますし,あんまり文系理系は関係ないように感じています。
別に,学歴がないとダメ,という話ではないのですが,高校の時の学力というのは,長い目で見ても結構大きな影響力を持っています。
社会人になってから大学や大学院に通う人も大勢いますし,基本的な勉強をやり直すというのは,その機会があればやってみるのもいいんじゃないかと思います。
基礎学力の大切さを,改めて認識していただければ幸いです。