データベーススペシャリスト試験(2009年春)
わく☆すた,美月です。
今回の試験は,新制度初回でしたし,今後の指針にもなると思いますので,各区分ごとにちょっと詳しく分析してみたいと思います。
まずは,自分が試験会場で受けたデータベーススペシャリスト試験から。
午前1は,昨日も書きましたが,高度共通で,結構易しい問題でした。
単なる足切り,というレベルですし,次回からは,午前1免除者が大量に出てくると予想されます。
午前1の狙いとしては,いくら高度系といえど,IT全般の知識は必要なので,それが錆びつかないように定期的に勉強しよう,って感じだと考えられます。なので,2年に1回,問題集1冊分ぐらいをちゃんと学習する心構えがあると良いと思います。
午前2は,今までの過去問をやっていれば十分な問題です。
特に,問14までのデータベース分野は,8割方過去問だと思います。特別難しい問題もないですし,データベース以外は午前1と同じレベルなので,ここで落ちる人は少ないんじゃないかと考えられます。
今回のデータベーススペシャリスト試験で,テクニカルエンジニア(データベース)試験から一番変わったのは,やっぱり午後1です。
4問中3問から,3問中2問に変わって,1問あたりのボリュームが増えました。
事前の話だと,「1問あたりのボリュームは変わらず,時間に余裕ができる」という話もあったのですが,昨年の1問あたり5~7ページから,今年は1問あたり6~8ページと,各問ごとに1ページずつぐらい増えています。難易度は高くなってはおらず,読む分量や記述量が増えたという感じです。
試験範囲は,従来と全く変わらず,というか1問減ってDBMS系の出題がなくなり,以下のようになりました。
問1 データベース基礎理論
問2 データベース設計
問3 SQL
3問中2問選ぶという今回からの方式だと,正規化がわかってDB設計ができるなら,SQLを全く勉強しなくても合格できます。より,注力するところがしぼられてきた感じです。
新ネタとしては,問1でXMLに対応づけられる拡張形式が出てきたことぐらいです。
午後2は,従来と同じなのですが,問2で,「ひたすらER図と関係スキーマを書くだけ」という形式の問題が出題されました。この形式は,平成19年午後2問2で初めて出題されましたが,ヒントとなる設問文がないため,かなりハイリスクな問題形式です。
出題内容としては,以下のようになりました。
問1 届出印管理システムのデータベース設計・運用
問2 カタログ通信販売の概念データモデル設計
問1がアプリケーション寄り,問2がデータモデル設計のみの問題です。難易度としては多分,問2の方が易しいです。問2は,見落としのリスクが高いのと,解答分量が多いので大変ですが,1つ1つのモデリングで,特別難しいものはありませんでした。
きちんとエンティティが洗い出せて,正規化できて,カーディナリティがきちんと設定できることが,午後2では肝心です。
ということで,今後のデータベーススペシャリスト試験の対策としては,従来とあまり変わりません。強いて言えば,SQLをやらなくても多分OK,ということになったぐらいです。候補キーがわかって,正規化ができて,ER図が書ける,ということがちゃんとできるようになることが本当に大切なんだなぁ,と改めて感じました。
来年データベーススペシャリスト試験を受験される方は,今年の問題を参考に,基本をきっちり固めていってください。
明日は,応用情報技術者試験の分析の予定です。