株式会社わくわくスタディワールド

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テクニック本は,段々効かなくなってくる

試験の必勝テクニックを語った本というのは,よく売れるので,結構いっぱい出版されています。
あきらかに邪道だと明記してテクニックを語っている本や,テクニックを使って合格することの正当性を一生懸命説明している本など,いろいろあります。

当たり前ですが,そのテクニックを身につけても,本来の実力が上がるわけではありません。

ですので,試験を実施する側は,「そのテクニックが通用しないように」変更を加えてきます。
出題内容を工夫したり,採点方法を変えたりして,テクニックで合格することを防ぐようになるのです。

実力以外のテクニックで合格しようとすることは,試験の作問者にとっては,セキュリティ攻撃と同じです。
試験特有の脆弱性を見つけてそこを突くことはできますが,攻撃手法を見破られたら,対処されます。

本になって攻撃法が公開されているのだったら,いずれ対策が実行され,効かなくなります。
本が売れれば売れるほど,同じ手を使う受験生が多くなるので,対処される可能性が高くなるのです。

個人的には,「テクニック本は使わないで正攻法で勉強した方が試験が役立つ」とは考えていますが,テクニックで試験だけ受かりたい方は多いと思いますし,それ自身は別にいいとは思います。
ただ,現実問題として,いくつかの売れているテクニック本の方法が,段々効かなくなっているのは確かです。

流れを考えると,次の試験では,テクニック本に頼ったら合格できない可能性は高くなると考えられます。
確実に合格したいなら,多くの受験生が使っているテクニック本は使わない方が賢明だと感じています。

東村アキコさんの「かくかくしかじか」というマンガに,センター試験必勝法の話がありました。

この本は東村アキコさんの自伝的な本で,美大受験時に,「例の方法」などのテクニックを駆使して,実力がないのにセンター試験で8割を取ったという話が載せられています。

この方法は,一時期流行しましたが,その後はセンター試験自体が対策を行い,効かなくなっています。
先ほどの「かくかくしかじか」の本の中にも,対処されたので今は使えない,という注意書きが書いてあります。
大学側は,テクニックで高得点を取った学生ではなく,本当に実力がある学生が欲しいのですから,対処するのは当たり前です。

今,大学入試は,「高等学校教育と大学教育の接続・大学入学者選抜の在り方について(PDF)」という教育再生実行会議でまとめられた内容を元に,改革が進められています。

主な変更内容は,「人づくりは、国づくり。教育再生への取組み始まる~教育再生実行会議」にまとめられていますが,高校卒業程度の基礎レベルを認定する達成度テストの導入や,知識偏重ではない試験の実施などが盛り込まれています。

大学入試が知識偏重ではない方向に変わるなら,その流れで,他の国家試験のやり方も変わるかもしれません。
また,制度が変わらなくても,試験を実施する側がやりたいのは「実力がある人を合格させること」であって,「テクニックを使った人を通すこと」ではないので,テクニックで合格できる状況は,早急に改善してくると考えられます。

テクニックを使うことはノーリスクではなく,それに頼ることで落ちてしまうリスクもあります。
テクニックばかりに頼って本来の実力をつけることを怠っていると,普通は不合格になります。

特に,「他の受験生も当たり前に知っている,売れているテクニック」は危険です。
あえてテクニックを使うなら,誰も知らないような,自分だけの秘伝テクニックを見つける方が理にかなっていると思います。

本来,情報処理技術者試験は,そんなに奇をてらった対策をしなければならないほど難しくはなく,必要だとされているスキルと知識が身につけば,余裕で合格できる試験です。

抜け穴を探すのではなく,試験が求めている本来の人材像となれるよう,勉強を続けていきましょう。