必要な知識の量の少ない試験区分,多い試験区分
わく☆すた,美月です。
応用情報技術者編に引き続き,「合格への道標」,23年春向けのデータベーススペシャリスト(DB)編の編集が終わりましたので,予約販売を開始いたします。SCも順次発売の予定です。
今回,合格への道標の撮影をしながら改めて感じたのですが,試験区分によって,必要な知識の量は大きく違います。
一番わかりやすく対照的なのが,データベーススペシャリスト試験と情報セキュリティスペシャリスト試験です。
データベーススペシャリスト試験は,勉強する内容としてはほんの少しです。
多分,正規化とER図,SQLぐらいがちゃんとわかればOKです。ただ,この「ちゃんとわかる」っていうのが曲者で,きちんと正規化を理解して候補キーが選べて,というのは,結構大変なのです。ER図も,「ちゃんと書ける」ようになるには結構練習が必要ですし,時間もかかります。
ですので,知識の量は少ないけど,それをすごく深く追求する,「狭く深く」の典型例がデータベーススペシャリスト試験だと思います。
逆に,情報セキュリティスペシャリスト試験は,幅広い知識が必要となります。
情報セキュリティの試験だからといって,セキュリティだけやっていればいいわけではなく,ネットワークの知識も必要ですし,システム開発もわかっている必要があります。マネジメントの考え方も重要ですし,監査についても出題されます。セキュアプログラミングもありますので,プログラミングの知識も必要です。
ただ,それぞれのレベルとしては,そこまで深くは要求されません。ネットワークの知識が必要,といってもネットワークスペシャリストほどではありませんし,システム開発も,自分でシステムが1から作れる必要もありません。ただ,基本的なことを抑えておく必要があるという感じです。
ですので,知識の量は多いのですが,それぞれはそれほど深くない,「広く浅く」の典型例が情報セキュリティスペシャリスト試験だと思います。
その他の高度区分だと,ネットワークスペシャリストはどちらかというと知識の量が多いほうです。エンベデッドシステムスペシャリストは,全然別系統の知識が必要で,業務でやっていないと知識の量としてはかなり多いほうだと思います。論文系は全体的に,必要な知識は少なめで,その試験区分に対する考え方が理解できていることが大切になります。
そのため,人によって,それぞれの区分の好き嫌いとはまた別に,受かりやすかったりそうでなかったりする試験区分があります。データベーススペシャリストは,深く突き詰めるのが好きな人にはすごく面白いですが,暗記はまったくといっていいほど役立たないので根気よく考えるのが苦手な人は苦労すると思います。
受ける受験区分を決めるときに,必要な知識の量を目安に決めるというのもありです。
個人的には,データベースの奥深い世界は大好きですし,いろんな分野を総合して考えるセキュリティの世界も好きです。ですのでもちろん,順番に両方体験してみるのも楽しいです。
春まではまだ時間がありますし,次にどの試験区分を受けるか迷っている方は,そのあたりも加味して考えるのもおすすめです。