株式会社わくわくスタディワールド

応用情報に受かれば基本はいらない?

本日,「プレス発表 平成27年度春期情報処理技術者試験(基本情報技術者試験)の合格発表について」にもありますとおり,春の基本情報技術者試験の合格発表が行われました。
全体の合格率は26.0%,統計情報によると,新制度累計での基本情報技術者試験の平均合格率は24.4%ですので,例年より少し高い合格率ですね。

合格された方は,おめでとうございます。
せっかくなので,基本だけで満足せず,そのまま応用情報技術者試験を受験するのは,とてもおすすめです。
受かったばかりで,覚えたことも忘れないうちに再度受験すると,今までの勉強が活かせますし,なにより連続で受けた時の合格率はとても高いです。

残念ながら今回は不合格だった方は,単に受かった落ちたというだけではなく,分野別の成績などから,その原因を振り返ってみると,次に活かせます。
午前はテクノロジ系,マネジメント系,ストラテジ系それぞれに点数が出ますので,弱点分析に役立ちます。
また,午後も最初の問7までができなかったのか,プログラミングやアルゴリズムの問題が解けなかったのかによって,次の重点項目が変わってきます。

IT業界で情報処理技術者試験を重視するところだと,基本情報技術者試験の合格が大事になってくる企業はとても多いです。
会社全体のスキルの底上げが目的だったり,新人教育の目安だったり,事情は異なることはありますが,現実問題として,基本情報技術者試験になるべく早い時期に合格できるかどうかは,その後の社内の評価に影響を与えます。

でも,論理的思考が苦手だったり,プログラミングに向いていなかったりすると,なかなか合格するのは難しかったりします。
そんなときには,思い切って基本情報を飛ばして,応用情報技術者試験を受験してみるのも,一つの手ではあります。

先日,「応用情報技術者試験午後問題での選択範囲の変更」の記事で書きましたが,次回の試験から,応用情報の午後問題では,選択の自由度が上がります。
もともと,プログラミングを避けてもよかったのですが,次回からはさらに,経営系の問題などを避けても合格できるようになっています。

そのため,人によっては,基本情報より応用情報の方が易しいのです。
プログラミングはどうしても向き不向きがありますし,基本情報はアルゴリズムとプログラミングは避けて通れないので,そこが鬼門になる方は多いです。
IT業界に関わるすべての人向け,という意味では,応用情報の方が合格できる対象者は多いと感じています。

ただ,それぞれの分野での知識的な難易度はもちろん上がりますし,午後の問題はマークシートではなく記述式です。
ですので,必要な国語力や,IT全般のスキルという意味では,応用情報の方が高いのは確かです。
それを踏まえた上で,「勉強しさえすれば,向き不向きに関係なく合格しやすい」のは,応用情報技術者試験の方だと考えています。

幸いなことに,企業などでの評価では,ほとんどの場合は,応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位互換だと考えられています。
某電機メーカー系の大企業では,昇格の指針に応用情報技術者試験以上が求められますし,応用情報を取れば,高度区分の試験を受けるときの午前1免除も得られます。
一部のこだわる方や企業を除いて,応用情報があれば,基本情報がなくても特に気にはされません。

個人的には,私はプログラミングが好きなので,重視してほしいなとは感じます。
ただ,現実の仕事としては,プログラミング以外のITの仕事とても増えていますので,求められるスキルは,状況によって変わってきます。
ある特定のスキルだけが重要,という時代ではなくなってきています。

ですので,自分の適性を見極めた上で,プログラミングなど基本情報技術者試験特有のものが足枷となっているなら,飛ばして応用情報技術者試験を受験しても特に問題はないと考えています。
特に,インフラエンジニアやプロジェクトマネージャなど,プログラミングが主な業務ではない場合には,基本情報を避けるのも一つの選択です。
場合によってはいきなり高度でもいいとは思います。

実は昔から,ネットワークスペシャリストの受験者には,結構な数の「情報処理技術者試験を受けるのは,ネットワークが初めて」という方は多かったのです。
開発会社ではなく,現場のネットワークエンジニアなどで叩き上げの方が,「ネットワークスペシャリストだけ欲しい」と受験されることはよくありました。
こういう方々は午後試験に強いので,意外と簡単に合格されることもよくありました。

ただ,今は高度区分には午前1があって,IT全分野の知識が求められます。
ですので,現場叩き上げで専門分野だけだと,午前1が突破できず不合格になることが多いです。
その午前1を免除する目的で,応用情報技術者試験から受験するのは,結構理にかなっているといえます。

応用情報技術者試験の範囲は広いですが,ひととおり知っておくと,スキルの幅は広がります。
また,特定の分野に偏るわけではなく,全般的な知識で誰でも学べますので,「勉強したけどどうしても無理」ということは基本情報に比べて格段に少ないです。
手前味噌ですが,「徹底攻略 応用情報技術者教科書 平成27年度」あたりの教科書で,ひととおり通して学ぶと,合格に必要な知識は十分です。

ということで,長くなってしまいましたが,まとめると,応用情報技術者試験に受かってしまえば,基本情報技術者試験に合格できなくても,特に現実的な問題はありません。
順番に勉強していくことがもちろん一番いいことではあるのですが,自分の適性や情報次第で,飛ばして上位の試験を受験するのは選択肢の一つです。

「こうすればベスト」という答えは,人によって異なります。
自分自身にとって,ベストな選択は何かを考えていきましょう。