高度共通午前1について
昨日,平成23年春期の情報処理技術者試験に関しての案内書が,試験センターから発表されました。
この資料によると,平成23年春期に,高度試験の一部(午前1試験)免除が受けられる方は,
・平成 21,22 年度の AP,高度試験の合格者
・平成 21,22 年度の高度試験の午前Ⅰ通過者
のうち,平成 23 年度春期の高度試験の一部(午前Ⅰ試験)免除を希望する者です。
平成21年度春期の午前1は,とても突破率が高くって,8割ぐらいの方が受かっていたと思います。この初回の午前1で突破された方は,次回が午前1免除の最後になります。
たまに,「もう午前1免除がなくなった」と思われている方がいらっしゃいますが,午前1は,合格後2年間,4回分の試験の間は有効です。
ちなみに,次回「合格」してしまえば,さらにあと2年間午前1が免除されますので,ちょっとお得です。
ここで合格出来ない場合には,平成23年秋期は,午前1からの受験になります。
最近は,午前1の突破は,結構難しくなっています。
高度区分共通の午前1は,応用情報技術者試験の午前で出題される80問のうち,30問がピックアップして出題されます。ですので,レベル的には基本的に,応用情報技術者試験の午前と同じです。
ただ,個人的な感覚では,応用情報技術者の午前に出てくる問題から,どちらかというと難しめの問題をピックアップしているように感じるので,多分,高度午前1の方が若干,応用情報技術者午前より難しい気はします。
ちなみに,試験センターの「統計情報 得点分布・評価ランク分布」によると,今回(平成22年秋)の午前1及び応用情報技術者午前の突破率は,以下のようになります。
応用情報技術者午前 37.4%
情報セキュリティスペシャリスト 37.0%
ネットワークスペシャリスト 42.1%
ITサービスマネージャ 32.9%
システムアーキテクト 54.2%
ITストラテジスト 55.7%
元々レベルの高い受験者層が多いシステムアーキテクトとITストラテジストはのぞくと,午前1の突破率は半分以下です。
高度午前1は,30問の4択を答えればいいので,一見簡単そうに感じるのですが,実は受かる人より落ちる人の方が多い試験,というのは頭に置いておくといいと思います。
もちろん,午前試験ですし,聞かれているのは知識が中心なので,勉強しさえすれば確実に合格出来ます。ただ,あまり勉強せずにいって運任せ,ということをやると,簡単に足元をすくわれますのでご注意ください。
試験にとにかく合格する,ということだけでなく,着実に使える実力を身につける,ということにフォーカスすると,この高度区分の午前1の勉強は,視野を広げたり応用力をつけたりするのに,とても役に立ちます。
応用情報技術者試験の午前も一緒ですが,全分野のことをひととおり知っておくことによって,専門に偏りすぎない,バランスのいい知識を身につけることが出来ます。
ITの各分野は,それぞれ独立しているようでいて,密接に結びついています。ネットワークの勉強にはコンピュータシステムが,セキュリティの勉強にはネットワークが,前提知識として必要で,それがないと学習するときに苦労します。
来年の春試験,午前1から受験される方はぜひ,今頃から午前対策を行っておきましょう。
その知識は,午後の勉強をするときや,実際の実務に,結構役立つと思います。
一歩一歩着実に,必要な知識を身につけていきましょう。