「毒になる親」もいることを知る
私の父は,大阪の大学を出て,大阪の電気工事会社に就職していました。
しかし,母(私にとっては祖母)の意向で,「長男は地元に戻らないとダメ」ということで,かなり強引に広島に戻されたそうです。
うちは,祖母,父,母,私,弟の5人家族でしたが,ほぼ祖母の“独裁政権”という感じでした。
父はよく,祖母のいないところで,「おばあちゃんがいなくなったら,みんなで大阪に出ような」と言っていました。
残念ながら,父は祖母より先に,49歳で癌のため,この世を去ってしまいました。
無念なこともいろいろあったのだろうなぁ,と感じています。
今となっては,祖母の事情も,父の気持ちもわかりますが,昔の私は,「こんな家イヤだから,18歳になったら絶対に出る!」と受験勉強に勤しんでいました。
“家から逃げた”ことに罪悪感を感じたこともありましたが,最近やっと,逃げることも自分を守るために大事だったのだな,と感じています。
『毒になる親』という本があります。
この本には,子供の生活に悪影響を及ぼす,様々なタイプの親が紹介されています。
両親との関係がうまくいっていない方,両親の束縛に苦しまれている方は,一度読んでみるのをおすすめします。
いろんなパターンの親がいますし,自分の状況にあてはまるパターンもあるはずです。
特に気づきにくいのは,一見いい人に見える,『「あなたのため」と言いながら子供を支配する親』だと思われます。
親が自分のためにしているはずのことが,すごく息苦しく思えるときには,それは子供のためではなく,親のエゴから来ているのです。
そこに気づけると,「自分が悪いわけじゃなかったんだ」とすごく楽になれます。
子供の頃の虐待などは,本人には責任はありません。
ただ,その記憶が残ってしまうと,世代間で連鎖して,自分の子供にまで悪影響を及ぼすことがあります。
自分の代で気づいて,次の代にはつなげないことも大切です。
家族だからと言って,お互いのために協力しあっているとは限りません。
客観的に自分の状況を知ることで,苦しみから逃れられることもあります。
いろんな親がいて,それぞれ事情があることを知り,自分にも他人にも,優しくなっていきましょう。