ネットワークの基本(1) OSI基本参照モデル
わく☆すた,美月です。
今日は,ネットワーク技術の中身のお話です。
情報処理技術者試験を勉強するとき,「OSI基本参照モデル」というのが出てきます。
これは,標準化団体ISOが,違う会社同士のネットワーク機器を接続するために作った,ネットワーク構造の設計方針の指針です。
ネットワーク通信をするためには,最低でも送り先と受け手に,2台の機器が必要です。標準化してないと,「同じ機器を2台買ってくださいね^^」ってことになって,同じメーカの機器ばっかり売れてしまいます。10000台つなぐなんてことになったら,10000台全部同じメーカーです。
そうすると,大手の第1位のメーカばっかり儲かってしまって,それ以外のところは困ってしまいます。なので,全社共通で標準化して,方針に従ってネットワーク機器を作れば,違う機器同士でも接続できるようにしたのです。
OSI基本参照モデルでは,
- アプリケーション(応用)層
- プレゼンテーション層
- セション層
- トランスポート層
- ネットワーク層
- データリンク層
- 物理層
の7つの階層が出てきます。
これは,通信に必要な機能を7つに分けたもので,それぞれが独立してます。
それぞれの機能の説明は,本などにゆずりますが,ここでは,この「使い方」についてお話ししたいな,と思います。
情報処理技術者試験の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に受かるためだけだったら,とりあえず,「アプセトネデブ」とか頭文字で順番に覚えて,それぞれのキーワード(例えば,トランスポート層は「信頼」とか)を押さえればいいと思います。
でも,ネットワークスペシャリストを受けるんだったら,また,ネットワークを専門に仕事でやるんだったら,これは「体に染み込む」ぐらいになる必要があります。
OSI基本参照モデルが,一番活きてくる場面は,トラブルシューティングです。
ネットワークがつながらないとき,下の階層同士だけがつながることはあっても,上の階層同士だけがつながることは絶対ありません。
なので,トラブルシュートの鉄則は,「OSI7階層の下から上へ」です。
実際,「メールが読めない」(アプリケーション層)という連絡を受けて現場に行ったら,ハブの電源が抜けていた(物理層)の問題だった,というのは,良くあります。
とっさに,下の階層を疑うのは,トラブル時の基本です。
なので,OSIの7階層は,ネットワークの基本として,しっかり押さえておく必要があります。
単に覚えればいい,というものではなく,役立つ基礎として,きちんとマスターしておきましょう。