試験に受かるかどうかを決めるのは,才能ではない
昔,最初にネットワークスペシャリストを受験しようとしたとき,まず,本屋に行きました。
すると,「受験研究」とかいった感じの,難しそうな参考書がいっぱい並んでいて,見るからに「大変そ~!」って感じでした。
とりあえず参考書を1冊買ったものの,読む気にならず,全然勉強は進みませんでした。
その状態でも,「とりあえず挑戦だ!」と,2回ぐらい受験には行ったのですが,全然歯が立ちませんでした。ネットワークスペシャリスト試験に受かるなんて,とんでもなく頭がいい,実務経験もバリバリ,っていう人たちに違いない,って,その頃は感じていました。
3回目の受験のときには,合格するコツが知りたくて,勉強会に参加しました。
そこは,前年に合格した人が次の人を教える,というスタイルだったので,合格した先輩が大勢いました。
その先輩達の話を聞いていると,実はそれほど敷居は高くなくって,難しいと思っているのは気のせいだと言うことに気づきました。もちろん,勉強してレベルアップする必要はあるのですが,それは自分に全然ムリ,というわけではなく,やればいけそうなところだと,はじめて感じることができました。
それで俄然やる気が出て,マスタリングTCP/IPを中心に勉強して,過去問演習を5年分やって,実力をつけていきました。
おかげで,その年には,無事合格することができました。
高度区分になると,なんとなく敷居が高く感じて,特別な才能でもないと合格出来ないように感じるかもしれません。
でも,情報処理技術者試験は,「ある一定レベルの,仕事に必要なスキルが身についているか」を試す試験ですので,普通の人が一定レベルのスキルを身につけさえすれば,合格出来るようにできています。
必要な勉強を行って,必要なレベルを突破しさえすれば,誰でも合格出来ます。
それができない理由としては,大きく2つあると思います。
まず1つ目は,私のように,ゴールを大きく見誤っている場合です。
ネットワークスペシャリストの合格ラインは,分厚い参考書を全部理解した先にあるのではありません。多分,全部理解すれば合格出来る知識は身につくとは思いますが,実はそれほど必要でもなかったりしますし,参考書意外のスキルも必要です。
「何をすれば合格出来るか」というゴールが明確になれば,やる気も出ますし,そこに向かって進んで行けると思います。
もう1つは,自分の現状を見誤っている場合です。
多いのは,基礎的なスキルがないときに,いきなりネットワークスペシャリストに挑戦したり,段階の飛び越しを行ったりする場合です。
冷静に,「今の自分のスキルのなさ」を見つめていくことはとても大切です。
でないと,知識が上滑りして積み重なっていかないので,勉強してもあまり身につきません。
その状態で勉強を続けると,勉強がどんどん苦しくなってしまいます。
一度,自分に不足しているスキルを確認して,そこに戻って埋めていくと,確実に進んでいくことができます。急がば回れ,で,その方が結果的には早くなります。
ですので,試験に受かるかどうかを決めるのは,持って生まれた才能ではありません。
自分の現状を客観視して冷静に見つめ,ゴールを的確に判断してそこに向かって進むことができること,それが一番大切です。
自分をダメだと思い込まず,かといって過信もせず,等身大の自分で進んでいきましょう。