株式会社わくわくスタディワールド

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自分の役割を明確に意識する

情報処理技術者試験の,高度以外の区分には,ITパスポート(レベル1),基本情報技術者(レベル2),応用情報技術者(レベル3)の3区分があります。
こちらは,すべてのIT関連の技術者が身につけておいて欲しい基礎知識で,その後の仕事のベースになるものです。入社したての新人さんや学生さんや,5年目ぐらいの中堅どころの方は,1つずつレベルアップさせながら取得していっていただけると,無理なく基礎力がつきます。
それに対し,情報処理技術者試験の高度区分は,すべてレベル4で9区分あります。
情報セキュリティスペシャリスト,ネットワークスペシャリスト,情報セキュリティスペシャリスト,エンベデッドシステムスペシャリストのスペシャリスト系4区分と,ITストラテジスト,ITサービスマネージャ,システムアーキテクト,プロジェクトマネージャ,システム監査の論文系5区分です。
こちらは,「全部取る」ことが目的には作られていません。
もちろん,取りたければ取っていいですし,全部勉強するとかなり広い視野と,いろんなスキルは得られるとは思います。
ただ,全部のスキルを身につけていても,全部自分一人で作業をすることはできません。
情報システムの開発などは,いろんな人が集まって,チームでやっていくことだからです。
ですので,チームで分業するという前提のもと,それぞれの「役割」ごとに試験区分が設定されています
そして,その高度区分では,「自分の役割を明確に意識すること」が,とっても大切です。
特に論文系では,「自分の役割を勘違いした」論文を書くと,一発で落とされます。
スペシャリスト系でももちろん,自分の役割を勘違いして答案を書くと落とされます。そして,スペシャリスト系の場合,この「自分の役割を勘違い」してしまうと,試験勉強する段階から,的外れなことをやってしまいます。
このあたり,「対象者像を明確に意識することが大事」ということで,わく☆すたの「合格への道標」では,対象者像のイメージをお話ししています。
スペシャリスト系の試験の対象者は,「プログラミングや,実際の設定を行う人」ではなく,「上流工程の設計を自分の特定分野のスキルを使って行う人」です。
例えば,データベーススペシャリストでは,SQLの記述やDBMSの設定などは,少ししか出てきません。基本的に,ほとんどの問題が「データベース設計」です。
これは,データベーススペシャリストが,プログラミングを行う人ではなく,要件定義や概要設計など,データベースに関連した上流工程をやる人,という位置づけだからです。
情報セキュリティスペシャリストなども,細かい枝葉のセキュリティ技術1つ1つが出てこないことはないですが,メインは「情報セキュリティの考え方」です。全体的にシステムを見て,技術だけに頼らずマネジメントも同時に行ってセキュリティ問題を解決していくところに問題のポイントが置かれています。
ですので,それほど細かくセキュリティ技術を勉強する必要はないですし,「セキュリティ技術が一番大事」と思っているうちは,試験に受からないと思います。
試験の対象者像は,試験センターの各試験区分のページに,ちゃんと書いてあります。
自分が受けようとしている試験区分の役割をちゃんとチェックして,それを意識して勉強していきましょう。