株式会社わくわくスタディワールド

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今の時点でのベストを尽くす

情報処理技術者試験に限らず,試験というものは,だいたいどんな試験でも,60%ぐらい正答できれば合格できます。
私が最近申し込みした中小企業診断士の1次試験でも,平均60%の正答率(1科目の最低ライン40%)で合格出来ますし,大学入試の2次試験では,東大でも60%正答できれば十分合格出来ます。
試験というものは,「ある程度のレベルに達していること」を図るものです。そして,テストの信頼性を高めるためには,問題が易しすぎるとケアレスミスの合否への影響が大きくなりますし,難しすぎると誰も問題を解けなくなります。ですので,合否ラインが60%ぐらいなるような難易度の問題にしておくと,適切にレベル判定ができるのです。
というのは,テスト理論の話なのですが,そういった考え方で試験は作られていますので,試験の内容が「全部できる」必要は全然ありません。
ケアレスミスがあっても,苦手な分野があっても,60%できるぐらいの実力を身につけておけば合格出来ます。
ここで,似ているようで結構違うのが,「完璧にやる」ことと「ベストを尽くす」ことです。
試験の場合,全部やろう,完璧にこなそうと思うと,却って足元をすくわれることが多いのです。
最新技術がかならず何問か出てきますし,「試験範囲全てを完璧に押さえる」ということは,どんなに頑張ってもかなり難しいです。
講師をやっている友人達の間では,「午前問題でのパーフェクト」というのを狙う人が多いのですが,これ,実はすごく難易度が高いのです。どうしても1問や2問は,分からない問題やケアレスミスが出てきます。
私自身,15年受験していて,全問正解で満点を取ったのは,平成21年春のデータベーススペシャリスト午前2のみです。
そして,下手に完璧にやろうとすると,出来ない問題が出てきたときに,パニックに陥る危険があります。完璧主義は,崩れたときにとても弱くなって,精神的に切れることが多いのです。
完璧に仕上げる,完璧に物事をこなす,というのは早めに手放した方が賢明です。
ただ,何もしなくてもいいか,というと,もちろんそんなことはありませんので,勉強はする必要があります。
その時の心構えとして,おすすめなのは,「今自分ができる最高のことをやる」つまり,「今の時点でのベストを尽くす」ことです。
試験まで残り25日,その間で,やると効果があると感じたことを,1つ1つ確実にやっていく,その積み重ねが本番につながります。
1ヶ月本気で勉強する,という経験ができれば,その実力はかなり伸びますし,次にも必ずつながります。
時間は限られていますので,できることも限られています。
優先順位の高くないことは,やらないという選択も大切だと思います。
限られた時間の中で,ベストを尽くしていくことで,短期間でも実力をアップさせることができます。
試験前というのは,緊張して追い込まれますので,その緊張感をうまく使えば,すごく効率的に勉強することができます。
延長した特別試験も,あと少しのところに迫ってきています。
今の時点でのベストを尽くして,ラストスパートしていきましょう。