ネットワークスペシャリスト試験とは
暑い日が続きますね。
私は今日は,ネットワークスペシャリスト試験の企業研修のため東京にいます。
昨日は情報処理安全確保支援士試験についてまとめましたが,今日はネットワークスペシャリスト試験についてまとめます。
ネットワークスペシャリスト試験とは
ネットワークスペシャリスト試験は,経済産業省を管轄とする国家試験『情報処理技術者試験』の1区分です。
情報処理技術者試験にはレベル1~4までの4つがありますが,この試験はレベル4,最高難易度の試験になります。
他の7つのレベル4試験と合わせて,高度区分という呼ばれ方をします。
試験の全体像
ネットワークスペシャリスト試験は,ネットワークの専門家のための試験です。
前身のテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験から試験制度が変更され,2009年(平成21年)10月より実施されています。
年1回のみ,10月の第3日曜日に実施されます。
試験時間や合格ラインなどは,次のようになっています。
試験時間 | 出題形式 | 出題数・解答数 | 合格ライン | |
---|---|---|---|---|
午前1 | 9:30~10:20(50分) | 多肢選択式(四肢択一) | 30問・30問 | 60点/100点満点 (18問正解) |
午前2 | 10:50~11:30(40分) | 多肢選択式(四肢択一) | 25問・ 25問 | 60点/100点満点(15問正解) |
午後1 | 12:30~14:00(90分) | 記述式 | 3問・2問 | 60点/100点満点 |
午後2 | 14:30~16:30(120分) | 記述式 | 2問・1問 | 60点/100点満点 |
※午前1,午前2などの数字の1,2は本当はアラビア文字ですが,文字コードの互換性のため,数字に変更しています。
午前1,午前2は配点,合格ラインは明確で,それぞれ60点で足切りが行われます。
午前1は他の情報処理技術者試験の高度区分や情報処理安全確保支援士試験と共通です。一度,午前1試験を突破するか,応用情報技術者試験試験に突破すると,その後2年間(4回)は,午前1試験は免除されます。
突破率と合格率
現在まで5回実施された情報処理技術者試験のそれぞれの時間区分ごとの突破率及び全体の合格率は,次のようになります。
試験時間 | 平成26年秋 | 平成27年秋 | 平成28年秋 | 平成29年秋 | 平成30年秋 |
---|---|---|---|---|---|
午前1 | 66.0% | 57.5% | 54.8% | 54.4% | 58.2% |
午前2 | 71.2% | 68.0% | 71.7% | 70.1% | 78.5% |
午後1 | 55.7% | 49.7% | 50.7% | 51.4% | 55.2% |
午後2 | 42.5% | 53.5% | 53.5% | 48.2% | 45.3% |
全体 | 13.9% | 14.6% | 15.4% | 13.6% | 15.4% |
全体的な合格率は,13%~16%となっています。
ちなみに,この数字は,他の情報処理技術者試験の高度区分と同様で,情報処理安全確保支援士試験よりも低いです。
また,各試験時間別の突破率は,全体的に最も低いのは午後2になっています。午前1は各試験区分で共通のはずなのですが,ネットワークスペシャリスト試験受験者の突破率は比較的高めです。多分,受験者層自体が違って,レベルが高めだからと考えられます。
試験の傾向の変化
全体的に,仮想技術の出題割合が増えてきています。
これは,実際に現場で使われる機会が増えているという事実が原因だとは思われます。
午後で,SDN(Software Design Network)に関しての出題が定番かしつつあります。
また,それとは別に,情報セキュリティ関連の出題も多く,情報処理安全確保支援士試験と同じような内容の出題もあります。
ネットワークスペシャリスト試験 合格のポイント
ネットワークスペシャリスト試験の合格のポイントをまとめると,次のようになります。
試験の学習で重要な点
ネットワークスペシャリスト試験の学習で重要な点は次の五つです。
- ネットワーク,インフラに関する実務経験があるかどうか
- 応用情報技術者試験合格レベルの基礎知識があるかどうか
- サーバやルータの設定や運用を行ったことがあるかどうか
- 国語力(文章の読み書きができる能力)があるかどうか
- ネットワーク,特にTCP/IPについてしっかり理解しているかどうか
基本的に,実務家のための国家試験なので,実務経験があると有利です。なくても学習で対応できますが,試験に直結した実務経験がある場合には,試験勉強はあまり必要ありません。
また,ネットワークの試験なのですが,情報セキュリティに関する内容も頻出です。問題文が長く,きちんと整理して読みこむ必要があるため,読解力が必要となる試験でもあります。
合格のための勉強法
合格のための勉強法として,王道は次の2つです。
- 参考書などでひととおりの知識を身につける
- 過去問を3期分マスターする
特に,過去問をしっかり理解して解けるようになることが,合格への一番の近道となります。
一般的には3期分しっかりやれば十分ですが,もっと多めに,ネットワークスペシャリスト試験で出題された過去5期分がしっかり学習できれば万全です。
取り急ぎ,大事そうな情報をまとめてみました。
情報処理安全確保支援士試験と重なる部分も多いですが,難易度的にはネットワークスペシャリスト試験の方が高いと考えられます。
試験まであと1か月と少し,ベストを尽くしていきましょう。