株式会社わくわくスタディワールド

株式会社わくわくスタディワールド

全区分制覇のコツ

私(美月)の数少ないアピールポイントの1つに,「情報処理技術者試験の全区分を制覇していること」というのがあります。
別に,取ったから特別なにかあるわけではないですが,IT関連の講師をするときには役に立ちます。
あくまでITSSだと7段階のうちのレベル4なので,すべての分野で専門家になれる,というわけではありません。
ただ,ITの全分野に対してひととおりの知識が得られていて,苦手意識のある分野がない,というのはメリットだと感じています。
技術の全体像,というのは,いろんな分野の勉強を積み重ねるにつれて,視野が広がって,見えやすくなってきます。
情報処理技術者試験の高度区分は,もともと専門に特化したものなので,自分の業務に関係あるものだけ取ればOKです。
ただ,意外と「全区分取得する」ということを目標にしている人も結構多いですし,それも意義があると思います。
ということで,私やまわりの人の経験をもとに,全区分制覇のコツについてお話したいと思います。
まず,当たり前なのですが,全部の区分に合格するためには,年数がかかります。
私自身,1996年10月の第二種情報処理技術者(今の基本情報技術者)からはじまって,2008年4月のシステム監査試験の合格まで,11年半かかっています。
ストレートで現行の12区分を取るにしても,最低6年です。
これは,「頑張って取るぞ」というモチベーションだけだと続かないと思います。
試験を受けること自体が好きになること,それが大切です。
基本的に,10月と4月には試験を受けるのが当たり前になることと,そのための勉強が習慣になって,それが楽しく感じられるようになれば波に乗れます。
そのためにおすすめなのは,自分が一番欲しく,そして取得するのが難関であると感じる試験に対して,「もうこれ以上はできない」っていうぐらい本気で勉強することです。
私自身,そうやって勉強した区分としては,「第一種情報処理技術者(今の応用情報技術者)」と「ネットワークスペシャリスト」の2区分があります。
特に,ネットワークスペシャリストは,最初の年に受けたとき,全然歯が立たなかったので,半年かけてびっしり勉強しました。
過去問は5年分完璧にして,参考書や専門書もいっぱい読んで,勉強会や模擬試験にも参加しました。
本気でやることで,合格も見えてきましたし,その後勉強を続ける上でのコツもつかむことができました。
実は,情報処理技術者試験の高度区分は,それぞれが全然別の試験ではなく,ある程度共通している部分も多いです。ですので,1つ本気で勉強しておくと,あとはそれほど勉強しなくっても,合格することが簡単になります。
個人的な感覚では,ネットワークスペシャリストの勉強を1とすると,データベーススペシャリストは0.5,情報セキュリティスペシャリストは0.3ぐらいの勉強で大丈夫な感じです。これは,単純な勉強量というだけでなく,最初に受ける試験がやっぱり一番大変だとは感じています。
あと,次のつまずいたのが,論文試験のアプリケーションエンジニア(今のシステムアーキテクト)でした。
午後1までは行けるのですが,午後2の論文の書き方がわからず,不合格でした。
ここは,独学の限界を感じたので,アイテックのオープンセミナーに参加して,素直に論文の書き方を学びました。
目から鱗が落ちることがいっぱいで,おかげで「論文の書き方」というのがつかめました。
そこからは,論文に関しては全勝です。
一度書き方をつかんでしまうと,立場と経験ネタを変えるだけで,すべての論文がある区分に対応できます。スペシャリスト系に比べると,論文系の方が共通区分が多いので,1つ取れれば,あとは簡単だと思います。
最後の1区分でつまずく人も意外と多いです。
あと1区分,ってなってから,連続で落ちるという話もよく聞きます。
私は,それはイヤだったので,最後の2008年のシステム監査は,万全を尽くしました。
公開セミナーに参加し,参考書を揃え,過去問演習をし,模擬試験を受け,落ちる要素をなくしていきました。
今振り返って,自力で合格できそうにないとき,「人の力を借りる」というのは,結構大事なことだったように感じています。
勉強会や公開セミナーに参加して,わからないことを教えてもらったこと,一緒に勉強する仲間ができたことは,すごく力になりました。
自分もそういった,いろんなことを与えられる人になれたらいいな,と思って今仕事しています。
情報処理技術者試験は,1つ取って終わり,という試験じゃないので,結構長丁場になります。
イヤイヤながらやっていると大変ですし,合格するまで続かないです。
「ストレートで全部合格するぞ!」と思っていても,どこかでつまずくこともあると思います。
ですので,全区分制覇の一番のコツは,「試験を楽しむこと」です。
失敗も経験のうちと,次の糧にすることができれば,最終的には突破できると思います。
今回受ける試験の勉強を,全力で楽しみながら,一歩一歩,進んでいきましょう。