株式会社わくわくスタディワールド

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午後問題・記述式のポイント

応用情報技術者試験の午後や高度区分の午後1は,記述式です。
午前は選択式なので,基本的に知識があれば大丈夫なのですが,午後問題はそれだけでは解けません。
というより,その,「知識だけではダメ」なところが,まさに午後試験で問われているところです。
記述式と言っても,単純に用語を聞いている問題も結構あります。
こういった問題は,選択式ならうろ覚えでも解けますし,パソコンで打っていたら漢字を変換してくれるのですが,手書きの記述の場合はそうはいきません。
「用語を正確に覚えているか」というのは,意外と肝心です。
そして,午後問題のメイン,配点が高い部分は,こういった用語問題ではなく,実際に文章を記述させる問題です。
基本的に,20字よりも40字,80字と,字数が大きい方が配点が高い傾向にあると思います。ですので,ちゃんと文章問題で正解が書ければ,用語は間違えても合格できます。
最近よく試験問題の採点をしていて,文章問題で間違えるパターンって,だいたいこの3つかな,と感じています。

1.問題文や設問文をよく読んでいない。
2.その問題を解くための知識やその理解がない。
3.問題文を解くために前提となる基礎ができていない。

1は,試験区分に関係なく,よくあるパターンです。
問題文で聞かれていることに答えないで,別のことを答える。これは単純に,読み込み不足だと思います。
特に,「設問文」は穴のあくほど見て,何を聞かれているかを正確に把握することが大切です。
このあたりは,問題を繰り返していけば,だんだんコツはつかめてくると思いますし,一度コツをつかめば,大体どの試験区分でも通用するようになります。

2と3は,似ているようで全然違う,解答を間違っていた場合の要因です。

2は,単にその設問で聞かれていることに対する知識がない場合です。
例えば,TCPのフラグについて知らなかったから答えられなかった,とか,クロスサイトリクエストフォージェリを知らなかった,とかそういった場合です。
これは,その知識を追加すれば,問題が解けるようになります。午後の問題は,意外と同じようなことが繰り返し聞かれますので,一度知識を身に付けてしまえば,他の問題にも応用がききます。

1と2は,基本的に過去問演習を行っていけば,合格に近づくと思います。
それではダメなのは,3の,問題文を解くための基礎がない場合です。
意外とよくいるのが,その専門分野の,最低限の基礎がないのに,過去問を無理矢理解いている人です。
情報セキュリティスペシャリストの場合,公開鍵暗号方式の秘密鍵と公開鍵の使い方とか,ISMSの基本的な考え方などは,分かっていないとそもそも問題文が理解できません。
ネットワークスペシャリストの場合,最低限,MACアドレスとIPアドレスの違いや,TCP/IPプロトコル群についてはわかっていないと,パケットの複雑な動きは理解できません。
その状態で,いくら応用問題を解いても,苦痛なだけで実力はつきません。
一度,基本に立ち返って,基礎を理解してから問題演習に入りましょう。
高度区分でこうした壁に当たった時におすすめなのが,応用情報技術者や基本情報技術者レベルの勉強です。
本来は,この2つの試験に受かってから高度に挑戦すると,そこまで基礎力が不足することはないはずですし,効率的です。
受けなくっても,一度基礎に立ち返るつもりで,1つ下のレベルを勉強し直してみるのはおすすめです。
一言に,「午後問題が解けない」といっても,その原因には実は,いろいろあります。
それぞれの状態に合わせて,必要なことをやっていきましょう。