縁の下の力持ち
先日,あるセミナーで,手違いでセミナーに必要な道具が,半分しか届かなかったことがあります。
あるはずの名札がなかったり,ペンがなかったりして,かなり焦りました。
臨機応変に,なんとかカバーはできましたが,当たり前のものがないと,いろいろ大変です。
講師をやってると,1人で前に立ってるので,ついつい自分の力だけでやってるような気分になってしまいがちになります。
でも,レジュメを印刷してくれる人,会場を手配してくれる人,セミナーに申し込んで来てくれる人,荷物を運んでる人,そんな人たちみんなに支えられているんだな,というのをしみじみ感じました。
そして,試験問題を解くときにも,解ける人が「当たり前」と思って見落としてしまう,「縁の下の力持ち」のような知識や力が,実は大切なのです。
例えば,情報セキュリティスペシャリストの問題を解いて,「問題文に答えが書いてあるじゃん」ということが見えるのは,ある程度,情報セキュリティマネジメントの考え方が分かっている人です。
マネジメントの考え方は,意識して勉強で身に付けなくても,実務などの経験で自然に身についている場合も多いので,最初から解ける人も結構います。
そして,問題文が最初からすらすら読める人は,それができるだけの国語力が,すでに身についているのです。
それは,学校の勉強だったり,本を読み続けることなどから,自然に身についている人も結構いると思います。
論文試験は,書き方さえ教わればあっさり書けるようになる人,というのも結構多いです。ただ,それは,ある程度,「首尾一貫した文章を書く」という文章力が最初からある場合に限ります。
逆に言うと,自分がいくら勉強しても,全然問題が解けるようにならない場合には,この縁の下の力的な部分が足りない場合が多いです。
「情報処理試験は暗記さえすれば受かる」と言ってる人は,そういった力が意識せずに身についている人です。
逆に,過去問も教科書もほとんど暗記していても,そういった力がないと,合格はできません。
そして,縁の下の力は,普段は隠れているので,自分で気づくことは結構難しいのです。
人に言われたり,聞いてみたりして,はじめて気づく人も多いです。
一度,自分の力がどんなものか,他の人に確認してみるのがおすすめです。
できれば,正直に悪いこともフィードバックしてくれる人に,「自分の文章ってどう思う?」というのを聞ければ最高だと思います。
読解力やマネジメント力などは,一朝一夕には身につきませんが,ちゃんとやりさえすれば大丈夫です。
今の時期にちゃんと身に付けておくと,次の試験までには間に合うと思います。
一度,自分のベースにある力を,振り返ってみるのはおすすめです。
見えてなかった部分を見えるようにして,いろいろ改善していきましょう。