午前2問題の勉強方法
情報処理技術者試験の高度区分で,午前2がある目的は基本的に,「足切り」だと私は考えています。
午後の記述式は採点するのが大変ですし,あらかじめ合格の見込みのない人を足切りしておくことで,採点する数を減らせます。
実際,合格する人が,「午前2が難関だった」ということは,あんまりありません。
午後に比べて,知識問題が多いので,知識的なところで苦手意識がある人は厳しく感じるかもしれません。
ただ,合格する実力があれば,午前1はともかく,午前2は8割ぐらい取れるのが普通です。
高度区分のうち,特に,情報セキュリティスペシャリスト,ネットワークスペシャリストあたりは,午前2の知識が午後の基礎になります。ですので,午前2の勉強をしながら,午後でも出てくる用語の意味や考え方を学習する,という方法が有効です。
データベーススペシャリストは,重なってくる部分もありますが,午後に比べてDBMSやSQLの比重が大きいので,午後を基礎理論やDB設計で突破しようとしている人だと,少し毛色が違います。
一度,午前2に向けての勉強もしっかり行っておくことが無難です。
論文系の午前2は,あんまり午後に直結しないように見えることも多いです。
ただ,「その分野で知っておくべき知識」が,午前2として出題されていますし,論文ネタとしても使えますので,ひととおり押さえておく必要はあると思います。
そして,午前2の場合,基本的な学習方法としては過去問で十分です。
だいたいどの試験区分でも,半分以上は過去問で,それを含めて8割ぐらいは過去問の類題です。ですので,過去問に出てくる用語の意味をしっかり理解して押さえておけば,たいがいの問題は対応できると思います。
昔から言われているのですが,午前で最低限やるべきことは,「過去問3回分」です。
これを完璧に理解出来ていれば,午前の合格ラインは突破できると思います。今だと,午前2の過去問はどの試験区分でも3回分出揃っていますし,これを押さえておくことは大切です。
余裕をもって確実にするには,5回分ぐらい押さえておくといいと思います。
平成20年以前の方が,午前の問題数も多いですし,その分,出題数も多めです。
特に,データベーススペシャリスト,エンベデッドシステムスペシャリストあたりは,テクニカルエンジニア時代の過去問も押さえておくと,見たことにある問題ばかりになると思います。
個人的な話だと,私は,午前2の100点は2回(データベーススペシャリストと情報セキュリティスペシャリスト)取っていますが,午前用にやった勉強は過去問演習だけです。
勉強したと言うより,セミナーで解説したり,YouTubeで動画解説したりしているので,それが勉強になっている,という感じです。
最初にセキュリティを教え始めたのは,情報セキュリティアドミニストレータができた次の年ですので,多分,情報セキュリティアドミニストレータ,テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)および情報セキュリティスペシャリストのすべての午前問題を1度は解いています。
これだけやると,多分誰でも突破できます。^^;
平成23年特別試験だと,ぱっと見,6割ぐらいが見覚えのある問題です。類題も入れると,8割は越えると思います。
ということで,午前2に限っては,過去問演習がおすすめです。
過去問が載っている問題集でもどちらでもかまいませんが,過去問はやる年数が時間次第でコントロールできるので,範囲を網羅しやすいです。
過去問集で3回分やって,その後,必要に応じて過去にさかのぼると,徐々に自信も出てくると思います。
私の知る限り,「十分勉強したけど,午前が突破できなかった」というのは,マークミス以外ではありません。
やれば必ずできる部分ですので,着実に学習していきましょう。