最近のデータベーススペシャリスト試験のポイント
毎年出版させていただいている,データベーススペシャリスト試験対策書,「徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 令和4年度」が今年も発売されました。 まだ4月の試験前ですが,10月の試験に向けてしっかり学習される場合は,今からスタートするのもおすすめです。今回のテキストから,ダウンロード特典の電子版にある過去問解説(9期分)が印刷可になりました。繰り返しの演習に,ぜひご活用ください。
データベーススペシャリスト試験の注目度
先日,雑誌「週刊東洋経済」で,「40代,50代からの資格と検定」のデータベーススペシャリストと情報処理安全確保支援士について取材されました。データベーススペシャリスト試験は,ビッグデータ時代に向けて注目の資格となっているようです。実際,データサイエンス関連のスタートアップで,「データ分析ができる人はいるけど,データベースを適切に管理できる人がいない」という話も聞きましたし,データベース関連のスキルについては,需要が高まっています。
今後に向けて,データベーススペシャリスト試験の学習を行うことは,キャリアアップにつながると考えられます。
最近のデータベーススペシャリスト試験のポイント
データベーススペシャリスト試験の最近の傾向で,一番の変化としては,業務系のデータベースだけではなく,分析系のデータベースについての出題が増えていることです。そのため,単純に業務を分析してE-R図に落とし込むだけではなく,データを分散させる,高速に処理させるなど様々な内容が出題されるようになっています。正規化を行う問題や業務知識が求められる問題が出題されないわけではありませんが,相対的に優先度は低くなっていると考えられます。
逆に増えているのが,SQLやDBMS関連の,特にデータ分析基盤に必要になる部分です。今回の改訂で一番大きく加筆修正を行ったのがSQL部分で,近年定番化しているウィンドウ関数の考え方を中心に記述しています。ビッグデータを格納するための分散データベースについても記述を増やしています。
今後の学習方法
データベーススペシャリスト試験をはじめとした情報処理技術者試験は,10年経っても通じる基本が問われると同時に,時代に合わせて変化してきています。正規化やデータモデルなどのデータベースの基本はあまり変わらないとは思われますが,利用する場面やデータ量が大きく変わり,新しい技術がいろいろ生まれてきています。昔の,「過去問題演習を効率的にやれば受かる」という試験ではなくなってきています。
過去問演習で基本的な実力をしっかり押さえつつ,新しい技術もしっかり身につけていくのがおすすめです。特に,データ分析系SQLなどは,『ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ』などで,一度しっかり学習してみるのがおすすめです。今回の「徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 令和4年度」から,巻末にテキスト執筆時の参考文献リストを載せさせていただきましたので,こちらも参考にしていただければ,いろいろな専門書が確認できます。
情報処理技術者試験の高度区分は,直前になって焦っても間に合いません。半年前から計画を立てて,しっかり学習をすすめていきましょう。