CBTになった基本情報技術者試験
2020年(令和2年)秋期の情報処理技術者試験では,基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験が中止になりました。その代替として,CBT(Computer Based Testing)方式の試験が開始されました。
基本情報技術者試験については,2020年(令和2年)度のCBT試験が,2021年(令和3年)1月〜3月で開催されました。2021年(令和3年)度上期の試験は2021年(令和3年)5月〜6月で開催されています。
私は2021年(令和3年)1月と5月の2回,受験してきました。おかげさまで,1月の試験は午前・午後ともに100点で合格できました。
試験を受けてみてわかったこと
出題内容については,守秘義務がありますので公開することはできません。ただ,今後受験される方に向けて,2回受けてみてわかったことについてまとめておきます。
Pythonの問題は結構難しい
今回受けてみた一番の目的は,午後問題のPythonについての出題傾向を確認することでした。受験して,実際の問題を2回見て感じたことは,「この問題を解くためには,Pythonをひととおりマスターする必要がある」 ことです。
Pythonというプログラミング言語は,初心者が学びやすい言語で,小学校のプログラミング教育などでもよく取り上げられています。しかし,Pythonはオブジェクト指向言語でもありますし,再帰などの難易度の高いアルゴリズムも記述できます。そのため,Pythonをきちんと使いこなせるレベルにするには,かなりの学習が必要です。
基本情報技術者試験のPythonについては,「これからの時代に役立つ」「簡単なのでおすすめ」的な記事をよく見かけます。確かに,Pythonは,人気が急上昇したプログラミング言語で,マスターするとAIやデータサイエンスを始めとして,様々な分野で活用できます。しかし決して簡単にマスターできる言語ではないので,気軽に選択することはおすすめしません。
CBTで問題を読むのは大変
CBT試験は,画面上で問題を解いていきます。基本的に,今までの基本情報技術者試験と同じような問題なので,計算問題やアルゴリズム問題が出てきます。紙に書き込まないでアルゴリズム問題やプログラミング問題を解くのは,結構大変でした。
シャープペンシルが渡されて,紙に書いて計算することはできます。そのため,計算問題やアルゴリズムのトレースなどは,紙に書き写して行うことになります。紙は追加でもらうことができますので,積極的に紙に書いて計算することはできます。CBTの試験ですが結構手書きでの計算や記録がカギになってくると感じました。
おすすめの基本情報技術者試験に向けての学習方法
CBT方式に変更になりましたが,公開されている出題範囲は同じですし,学習する内容には変更はありません。学習すべきことをきちんと学習していくことが,試験勉強の王道になります。おすすめの学習方法は,次のようになります。
問題演習を画面上で行う
CBT方式では,画面で試験問題を読む必要があります。特に午後問題は,慣れていないと画面で読むのがかなり厳しい分量です。パソコンの画面に試験問題を表示させながら,問題演習を行うことが大切です。例えば,「かんたん合格 基本情報技術者過去問題集 令和2年度秋期」などの過去問題集では,電子版のPDFが特典としてついていますので,ダウンロードして画面表示させてから,問題を解くことができます。
Pythonを選択する場合には,中級レベルを目指す
Pythonというプログラミング言語は,簡単に使うこともできますが,特有の文法やオブジェクト指向への対応などで,かなり特徴にある言語です。「かんたん」とか「やさしい」的なPythonの本を読んだり,入門的な内容を学習しただけでは,使いこなすことはできません。オブジェクト指向やPython特有のいろいろな文法をしっかり学習して,中級レベルに到達することが,午後でPythonを選択して合格するためには必要となります。
Pythonは,合格後に一番役立ちますし,選択することはおすすめです。しかし,簡単にはマスターできませんので,しっかり学習して臨んでください。具体的な学習内容につきましては,最近発売した「徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編 第2版」にまとめておきましたので,よろしければお役立てください。
試験の形式が変わっても,学習内容は変わりません。確実に合格できるように,1つ1つ,しっかり学習を進めていきましょう。