令和8年度 応用情報・高度試験がCBT化へ!変更点と受験戦略
やっと公式にIPAから,2026年度の情報処理技術者試験に関する発表がありました。応用情報技術者試験・高度区分の試験開始は,2026年11月になるようです。
令和8年度(2026年度)情報処理技術者試験の実施予定
本日(2月24日),IPAから「令和8年度(2026年度)応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定について」が公開されました。
以前のブログ記事(「情報処理技術者試験改訂のポイント 〜フルスタックエンジニアを目指す〜」「情報処理技術者試験に「データ・AI」新区分が登場する話」)でも触れてきた試験制度の変更ですが,今回いよいよ具体的な実施スケジュールが発表されました。
2026年度は,応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がすべてそのままCBT方式に移行 します。基本情報技術者試験(FE)や情報セキュリティマネジメント試験(SG)は2023年からCBTになっていましたが,ついに上位区分もCBTの時代に入ります。試験時期は 2026年11月頃 からの予定です。
今回は,発表された内容のポイントと,受験を考えている方に向けた今後の受験戦略を整理してみます。
変更点1:試験の実施時期が大幅に変わる
従来の「春期試験(4月)」「秋期試験(10月)」という区分がなくなり,新たに「前期試験」「後期試験」として以下の時期に実施されます。
| 従来 | 令和8年度から | |
|---|---|---|
| 前期(旧 春期) | 4月第3日曜日 | 2026年11月頃 |
| 後期(旧 秋期) | 10月第3日曜日 | 2027年2月頃 |
つまり,前回実施された令和7年度秋期試験(2025年10月)の次の試験は,1年以上後の2026年11月になります。「春に受けられなかったから秋に」というサイクルが変わりますので,学習計画の見直しが必要です。
なお,CBTでは「一定期間内に複数日で実施」「会場ごとに設定された予約枠から自由に選択」とされています。FEやSGと同様に,自分の都合に合わせて受験日を選べるようになるのは大きなメリットです。
変更点2:科目名称が変わる
今回のCBT化に合わせて,科目の名称が変更されます。
| 従来の名称 | 新名称 |
|---|---|
| 午前試験 | 科目A試験 |
| 午前Ⅰ試験 | 科目A-1試験 |
| 午前Ⅱ試験 | 科目A-2試験 |
| 午後試験 | 科目B試験 |
| 午後Ⅰ試験 | 科目B-1試験 |
| 午後Ⅱ試験 | 科目B-2試験 |
FEやSGでは既に「科目A」「科目B」の名称が使われていたので,上位試験でも同じ体系に統一されたことになります。名前は変わりますが,出題範囲・出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)・出題数・試験時間には変更なし とされていますので,学習内容そのものへの影響はありません。
変更点3:免除制度の引き継ぎ
高度試験・SCにおける科目A-1試験(旧 午前Ⅰ試験)の免除制度は継続されます。令和6年度・令和7年度のAP合格者や高度試験・SCの午前Ⅰ通過者は,引き続き免除の対象です。具体的な対象範囲はIPAのページに詳しく記載されていますので,免除を狙っている方は確認しておきましょう。
変更点4:試験区分の割り当て
前期・後期の試験区分の割り当ては,基本的に従来の春期・秋期と同じです。
前期試験(2026年11月頃): AP,ST,SA,NW,SM,SC
後期試験(2027年2月頃): AP,PM,DB,ES,AU,SC
AP(応用情報技術者試験)とSC(情報処理安全確保支援士試験)は前期・後期の両方で受験可能です。これも従来通りですね。
気になるポイント:CBTで記述式・論述式はどうなる?
今回の発表で最も気になるのは,「出題形式に変更なし」つまり 記述式・論述式もCBTで実施する という点です。
FEやSGの科目Bは多肢選択式でしたが,応用情報の午後は記述式,高度試験のうちST・SA・PM・SM・AUは論述式(いわゆる論文試験)があります。手書きからタイピングへの変化は,受験者によってはメリットにもデメリットにもなります。普段からPCで文章を書くことに慣れている方にとっては朗報かもしれません。
受験戦略:今からどう動くべきか
試験がCBT化されて,11月まで8か月以上の準備期間がある今から,どのように受験戦略を立てていくべきでしょうか。ここは単に,「春の試験がなくなったから待つ」というのではなく,積極的にこの期間を活かしていくことが重要です。
1. 待ち時間を活かして関連資格にチャレンジする
11月の前期試験まで約9か月。この期間を「ただ待つ」のではなく,関連するベンダー資格や他の資格試験にチャレンジするのも有効な戦略です。
例えば,ネットワークスペシャリスト試験(NW)を目指している方なら,CiscoのCCNPなどのベンダー資格に取り組むことで,実機に即した知識が身につき,NWの午後問題にも強くなれます。情報処理安全確保支援士試験(SC)を狙う方なら,CompTIA Security+やCISSPの学習が相乗効果を生むでしょう。データベーススペシャリスト試験(DB)なら,Oracle MasterやOSS-DB技術者認定が実務力の向上に直結します。
ベンダー資格はCBTで随時受験できるものが多いので,情報処理技術者試験の空き期間にちょうど組み込めます。学習のモチベーション維持にもなりますし,履歴書に書ける資格が増えるのも大きなメリットです。試験制度改訂の経済産業省での議論でも,「情報処理技術者試験とベンダー資格で相互で補完するような体系にしていく」という方向性が示されていましたので,この機会に関連資格にもチャレンジしてみるのはおすすめです。
各資格の詳しい紹介や,今後取ると使えそうな資格,情報処理技術者試験との相乗効果については,今後のブログ記事で区分ごとにお伝えしていく予定です。
2. 11月の前期試験に向けた学習計画を立てる
次に受験できるのは令和8年度前期試験(2026年11月頃)ですので,ここまで約8か月の準備期間があります。
前期試験の対象区分は,AP,ST,SA,NW,SM,SCです。後期試験(2027年2月頃)にはPM,DB,ES,AUが実施されますので,狙う区分に合わせて学習スケジュールを組みましょう。まだ11月まで約8か月ありますので,じっくり腰を据えて取り組むことができます。前期と後期の間隔が短いので,前期で受験する区分の学習を進めつつ,後期の内容も少しずつ触れておくとスムーズに移行できるでしょう。
午前Ⅰ(科目A-1)免除の確認を忘れずに
令和6年度・令和7年度にAP合格や高度試験・SCの午前Ⅰ通過をしている方は,令和8年度の科目A-1試験が免除になります。自分が免除対象かどうか,今のうちに確認しておきましょう。免除があるかないかで,学習の負担は大きく変わります。
CBT特有の操作に慣れておく
今回最も大きな変化は,やはりCBTへの移行です。特に記述式・論述式がPCでの入力になるため,キーボードでの文章作成に慣れておくことが重要です。普段から手書き中心の方は,過去問の解答をPCで書く練習を早めに始めておくことをおすすめします。
CBTの試験環境(画面構成や操作方法など)についてはIPAから詳細が発表され次第,当ブログでもお伝えしていきます。
2027年度の新試験制度も視野に
IPAは「2027年度の情報処理技術者試験の改訂に向けた検討を進めている」としており,2026年3月を目途に詳細が公表される予定です。データ・AIに関する新区分の登場も報じられていますので,引き続き最新情報をチェックしていきましょう。
まとめ
今回の発表のポイントをまとめると,以下のとおりです。
- 応用情報・高度試験・SCが 2026年度からCBT方式に移行
- 実施時期が 前期:11月頃,後期:2月頃 に変更
- 科目名が「午前/午後」から「科目A/科目B」に統一
- 出題範囲・形式・試験時間は変更なし
- 2027年度にはさらなる制度改訂が予定されている
当社(わくわくスタディワールド)でも,今後のCBT対応に向けた教材・書籍の情報を随時お知らせしていきます。受験を予定されている方は,11月の前期試験に向けて早めに準備を始めつつ,来年度以降の制度変更にも備えていきましょう。
新しい情報が出ましたら,またブログで取り上げていきます。