試験に見切りをつけることも考える
今の私の迷いに,「秋の情報処理技術者試験,受けるのやめようかな」というのがあります。
ちょうど試験日の週の土日に,とっても受けたいセミナーがあるのです。
最後に試験を受けなかったのが1998年秋(ネットワークスペシャリスト試験を申し込んだけど会場に行かなかった)ですので,17年半,毎回受け続けてきたことになります。
なので,できる限り受け続けたいのですが,秋の高度区分はもう全部2回受かってますし,改めて受けたい試験区分も特にありません。
今回ぐらいは受けるのサボってもいいかなぁ,という風に感じています。
ちなみに,来年春は情報処理安全確保支援士が始まるはずですので受ける予定です。
というところで,試験に“見切り”をつけるという話です。
私は幸い,情報処理技術者試験の全区分に合格できましたが,これは私が良くも悪くも“器用貧乏”な特質があるからかな,と感じています。
ITの学習に関しては,特に苦手な分野があるわけではありませんが,かといって「これは絶対誰にも負けない」という分野があるわけでもありません。
だから論文系でもスペシャリスト系でも同じように勉強できますし,試験に受かるレベルぐらいならだいたいどの分野でもできます。
ただ,試験対策でいろいろな人と関わってきて,世の中にはそうじゃないタイプの人もいっぱいいると感じています。
何か特定の分野だけがずば抜けて得意な,本当の意味での“スペシャリスト型”も,実は結構多いのです。
例えば,「ネットワークだけは誰にも負けない」というぐらい詳しい人がいます。
仕事でも本当にネットワークのスペシャリストで,その道ではプロフェッショナルです。
そういう人は,当たり前ですがネットワークスペシャリストの試験は,簡単に受かります。
でも,じゃあ別の分野も勉強,といって,他のスペシャリスト試験に受かるか,というとまた別の話です。
具体的には,分野的に近そうな情報セキュリティスペシャリスト試験に,ネットワークの専門家が受からない例が多いです。
これは,ネットワークは機械や論理のような技術寄りの試験なのに対して,情報セキュリティだと人間関係や組織がメインになってくるからだと考えられます。
これは,向き不向きもあるので,無理して取らなくてもいいはずです。
ネットワークは得意だけどデータベースは苦手,という人も多いです。
これは全然別の分野ですし,仕事でそれほど重なることもないので,どっちか好きな方だけで十分です。
論文系は,受かるかどうかというのとは別の方向で,向き不向きがあるように感じています。
正義感が強く正直者で,「ウソはつけない」という人は,論述系の午後2は苦痛だと思います。
現実の組織の人間関係でも,ウソはつかなきゃいけない場面が多々ありますので,これは実際の仕事の適性と合っているのかな,とも考えられます。
「全区分目指しています」という人で,最後まで全部取りきる人というのは意外と少なくって,どうしても取れない高度区分というのがいくつか残ることが多いです。
一番多いのはエンベデッドシステムスペシャリスト試験が取れないという人ですが,これはかなり,適性が必要な試験です。
ハードウェアで高校物理のような内容も出てきますので,文系の方は結構つらいのではないかと感じています。
真面目な話,全部取っても特にいいことはないです。
適当に必要な試験にだけ受かれば,見切りをつけちゃっていいんじゃないかと。
試験だけが人生じゃありませんし,本来目を向けた方がいい大事なことが,試験以外にもあるかもしれません。
適当に見切りをつけつつ,バランスをとりながら歩いて行きましょう。