株式会社わくわくスタディワールド

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わく☆すたブログ ページ 87/91

では,どうやって読解力をつけるか

わく☆すた,けんけんです。
いままで,試験に合格するためには,読解力が必要だと語ってきました。これって,冷静に考えればあたりまえのことで,情報処理技術者試験は,“日本語”で書かれています。なので,問題文に書かれている内容を正しく理解し,設問に指示された内容を導き出せなければ合格はしません。
これができていないのに,受験する試験区分の知識さえ身につければ合格するだろうと,誤った勉強を行い,玉砕する人が後をたちません。以前ブログに書いた,「段階の飛び越し」に相当します。
今日は,どうやったら読解力がつくか? のお話しです。
結論から言いますと,高校レベルの現代国語の勉強をしなおせばよいのです。高校生向けの参考書や問題集は,これでもかと良書がそろっていますので,利用しない手はありません。しかも,安価です!
自分が使ったのは,これです。
『出口の現代文革命ゼロからの解法てほどき』 出口 汪 著
この本には,文章をどうやって読んでゆけばよいのか,その手引きが段階を細分化して書かれています。この本で,読解力の基礎を身につけながら,実際の文章を読み,実践を重ねて行きました。
当時,テクニカルエンジニア(データベース)を受験しようと,データベースの勉強をしていたのですが,試験勉強以外に読んだ本の方が多かったです。急がば回れですね。
出口先生の本は,現代文のカリスマ講師と言われるだけあって,多数出ていますので,これ以外でもご自分に合う本を見つけるとよいと思います。本屋の学習書コーナーに行けば,必ずあると思います。
もし,「いい年して学習書コーナーに行くのは恥ずかしいなぁ。」という方は,Amazonで購入していただくか,この本がよいかもしれません。カテゴリ的には,ビジネス書です。
『論理的なコトバの使い方&文章術 頭をスッキリ整理するスキルが身につく!』
『解くだけで頭を鍛える!出口汪の論トレ』
その他,探してみてください。
さて,自分が読解力養成に使った本は,いろいろあるのですが,一冊上げるならば,これですね。
『虚数の情緒―中学生からの全方位独学法』 吉田 武 著
この本の良いところは,平易な文章で書き始められていることです。(中学生向けなので・・・) だから,とても取っつきやすく読み始められます。漢字にルビもふってありますし。
デメリットは,厚い。(1001ページ。^^;) のと,高価。(4,515円)なところでしょうか。それと,数学の本なので,途中から,難しくなるところです。なので,全部読み切る必要はないと思います。自分は,半分位読んで,それなりに効果出たなと実感してます。
また,この本もよいかもしれません。
『世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく 』 渡辺 健介 著
論理的に考える方法が,とてもやさしく書かれています。「こんなの簡単すぎるよ~」というかたは,グロービスのMBA本から始められるといいと思います。
あと,「高校の現代国語の」と書きましたが,高校レベルが難しいと感じるならば,中学レベルから初めて下さいね。自分がわかる所から始めないと効果出ませんし,辛いだけです。「段階の飛び越し」には,注意が必要です。
たぶん,出口先生の本を何冊かやるだけで,情報処理技術者試験の問題文を読みこなす力は付くと思うのですが,「もっと読解力の力を本格的に付けたいぞ。」という方は,出口先生が開発した,『論理エンジン』と言う,読解力養成ドリルがありますので,これを使うと良いと思います。
ただ残念なのは,小学生向けは一般書店で流通していますが,中学生以上は代理店経由でしか販売していません。あと高価なので,それなりに気合いが必要です。一応,わく☆すたでも扱っています
まだ試験には日がありますので,読解力強化をするには,丁度良い時期だと思います。

応用情報技術者試験対策 今の時期のおすすめ勉強法

わく☆すた,美月です。
今日は,応用情報技術者試験対策がテーマです。

前回の試験の傾向を見る限り,ソフトウェア開発技術者試験に比べて,応用情報技術者試験は,範囲は幅広いですが,合格しやすくなったと感じています。
午後2がなくなって,また,午後1(午後)の配点が変わり,選択の幅が広がって,「アルゴリズムとデータベースができないと合格できない」ということはなくなったからです。自分の好きな分野,将来進みたい分野に合わせて,勉強する内容を選択できるようになった,というのは大きいと感じています。

といっても,勉強する内容それ自体が易しくなったわけではありません。
前回の午後を見る限り,問4のシステム構成技術の災害復旧対策も,問5のネットワークのDHCPも,問8の情報システム開発のUMLも,問9のセキュリティのFW設定も,以前の午後1に比べて,内容は少し深く,難しくなってます。それぞれ1問ずつぐらい,難易度の高い設問が入ってきていて,満点を取るのはかなり難しいです。

なので,選んだ午後問題を解くためには,ちゃんと事前準備をしておく必要があります。
弊社(わく☆すた)のDVD「合格への道標」では,おすすめ参考書や問題集などを紹介していますが,試験対策用の本だけだと,いい本を選んでも,ぎりぎり合格レベル(6割)に到達というレベルだと思います。(もちろん,下手な本を選ぶと,合格とは無縁になりますが^^;)

そこで,今の時期におすすめしたい勉強法は,重点をおきたい分野2,3コについて,「専門書で学習すること」です。
将来を見据えて,自分の進みたい職種や分野の方向で,専門を深めるのは,後々とてもためになりますし,今回受ける試験でも使えます。

例えば,将来ネットワーク関連に強くなりたい人は,「マスタリングTCP/IP入門編」などの専門書で学習すると,応用情報技術者試験のネットワーク分野はほとんど解けます。この内容を理解しておけば,今年のDHCPなどは楽勝です。でも,試験対策書での学習だけだと,60%取れればいい方だと思います。

情報システム開発を極めたい人は,ソフトウェア工学を学習するのはおすすめです。特に,オブジェクト指向については,わかっていないと解けない問題が多いので,一度,きちんと学習するといいと思います。最近の午後問題は,デザインパターンをベースにしたものが多いので,オブジェクト指向を理解して,デザインパターンまでやっとくのはベストですが,それだとちょっと量が多すぎる気がします。ここは,いろんな本がありますが,入門書としては,「オブジェクト指向でなぜつくるのか」あたりが,ソフトウェア工学全般も含めた基本が押さえられていていいと思います。

データベース分野に関しては,「これでOK」といういい本はなかったので,弊社で「わくわく弁当でわかるデータベース技術」というDVD+テキスト教材を作ってます。応用情報技術者~データベーススペシャリスト向けに作っていますので,もしよろしかったら,ご検討ください。

経営戦略,戦略立案,コンサルティングの技法分野,つまりストラテジ系を中心に行きたい方は,ある程度の専門書での自習が必要になります。情報処理技術者試験の参考書は,全然対応できていません。ITストラテジストの参考書を使っても無理だと思います。

おすすめは,この分野を極めたい人は,多分中小企業診断士やMBAなども視野に入っていると思われますので,そちらの勉強を並行して始めることです。グロービスの本シリーズは,量は多いですが,ちゃんと学ぶにはおすすめです。

プロジェクトマネジメント,ITサービスマネジメント,システム監査のマネジメント系3分野と,組込み分野(エンベデッド)は,対応する高度区分の参考書が使えます。プロジェクトマネジメントに関しては,読み物もいっぱいありますので,小説などを読んでみるのもおすすめです。

今の,試験まで余裕がある時期は,必死で暗記対策をするよりも,一見,回り道に見える専門書での学習をおすすめします。得意な分野が1つでもあると,直前の余裕ができますし,試験対策で終わらない,将来役に立つ知識が身につきます。何より,ストーリーがつながってくるので内容が面白く,楽しんで学習できます。

特に,再受験の方は,一度「試験勉強」から離れた勉強をしてみるのは,おすすめです。

応用情報技術者試験対策 今の時期のおすすめ勉強法

わく☆すた,美月です。
今日は,応用情報技術者試験対策がテーマです。

前回の試験の傾向を見る限り,ソフトウェア開発技術者試験に比べて,応用情報技術者試験は,範囲は幅広いですが,合格しやすくなったと感じています。
午後2がなくなって,また,午後1(午後)の配点が変わり,選択の幅が広がって,「アルゴリズムとデータベースができないと合格できない」ということはなくなったからです。自分の好きな分野,将来進みたい分野に合わせて,勉強する内容を選択できるようになった,というのは大きいと感じています。

といっても,勉強する内容それ自体が易しくなったわけではありません。
前回の午後を見る限り,問4のシステム構成技術の災害復旧対策も,問5のネットワークのDHCPも,問8の情報システム開発のUMLも,問9のセキュリティのFW設定も,以前の午後1に比べて,内容は少し深く,難しくなってます。それぞれ1問ずつぐらい,難易度の高い設問が入ってきていて,満点を取るのはかなり難しいです。

なので,選んだ午後問題を解くためには,ちゃんと事前準備をしておく必要があります。
弊社(わく☆すた)のDVD「合格への道標」では,おすすめ参考書や問題集などを紹介していますが,試験対策用の本だけだと,いい本を選んでも,ぎりぎり合格レベル(6割)に到達というレベルだと思います。(もちろん,下手な本を選ぶと,合格とは無縁になりますが^^;)

そこで,今の時期におすすめしたい勉強法は,重点をおきたい分野2,3コについて,「専門書で学習すること」です。
将来を見据えて,自分の進みたい職種や分野の方向で,専門を深めるのは,後々とてもためになりますし,今回受ける試験でも使えます。

例えば,将来ネットワーク関連に強くなりたい人は,「マスタリングTCP/IP入門編」などの専門書で学習すると,応用情報技術者試験のネットワーク分野はほとんど解けます。この内容を理解しておけば,今年のDHCPなどは楽勝です。でも,試験対策書での学習だけだと,60%取れればいい方だと思います。

情報システム開発を極めたい人は,ソフトウェア工学を学習するのはおすすめです。特に,オブジェクト指向については,わかっていないと解けない問題が多いので,一度,きちんと学習するといいと思います。最近の午後問題は,デザインパターンをベースにしたものが多いので,オブジェクト指向を理解して,デザインパターンまでやっとくのはベストですが,それだとちょっと量が多すぎる気がします。ここは,いろんな本がありますが,入門書としては,「オブジェクト指向でなぜつくるのか」あたりが,ソフトウェア工学全般も含めた基本が押さえられていていいと思います。

データベース分野に関しては,「これでOK」といういい本はなかったので,弊社で「わくわく弁当でわかるデータベース技術」というDVD+テキスト教材を作ってます。応用情報技術者~データベーススペシャリスト向けに作っていますので,もしよろしかったら,ご検討ください。

経営戦略,戦略立案,コンサルティングの技法分野,つまりストラテジ系を中心に行きたい方は,ある程度の専門書での自習が必要になります。情報処理技術者試験の参考書は,全然対応できていません。ITストラテジストの参考書を使っても無理だと思います。

おすすめは,この分野を極めたい人は,多分中小企業診断士やMBAなども視野に入っていると思われますので,そちらの勉強を並行して始めることです。グロービスの本シリーズは,量は多いですが,ちゃんと学ぶにはおすすめです。

プロジェクトマネジメント,ITサービスマネジメント,システム監査のマネジメント系3分野と,組込み分野(エンベデッド)は,対応する高度区分の参考書が使えます。プロジェクトマネジメントに関しては,読み物もいっぱいありますので,小説などを読んでみるのもおすすめです。

今の,試験まで余裕がある時期は,必死で暗記対策をするよりも,一見,回り道に見える専門書での学習をおすすめします。得意な分野が1つでもあると,直前の余裕ができますし,試験対策で終わらない,将来役に立つ知識が身につきます。何より,ストーリーがつながってくるので内容が面白く,楽しんで学習できます。

特に,再受験の方は,一度「試験勉強」から離れた勉強をしてみるのは,おすすめです。

資格試験に共通の勉強法

わく☆すた,美月です。


ちょっと前に出た本に,「弁護士が書いた究極の勉強法」というのがあります。
弁護士の方の本なので,基本的に司法試験向けの話が多いのですが,なんか読んでて,「資格試験の勉強って,どんな分野でも,基本的に同じなんだなぁ」と改めて感じました。


例えば,「試験に受かるためには,わかりやすい文章を書く必要があります。」と,分かりやすい文章を書く必要性が強調されていました。試験は紙一枚の勝負で,読みやすくわかりやすい文章が評価されることについて,いろんな例を挙げて説明しています。
このあたり,情報処理技術者試験の午後の記述や論文の考え方と,全く同じです。


「自分の頭で考える」ことと「暗記すべきは暗記する」ことの両方の大切さ,またそれは両立することについての記述もあります。これもまさに,情報処理技術者試験と同じです。


情報処理技術者試験は,単なる暗記の試験ではありません。
たまに,ひたすら用語を覚える人がいますが,そんなことで合格できるのは,基本情報技術者試験ぐらいまでだと思います。きちんと,自分の頭で考えて理解することが,応用情報技術者試験以上では必須となります。
といって,暗記は必要ないか,と言われると,そんなことはありません。ある程度の知識,それも,「現在使われている新しい技術の知識」は必須です。暗記だけでもなく,考えるだけでもなく,その両方が必要なのです。


ここで,この本で紹介されていて,私もよく実践している方法を1つお話しします。
それは,「過去問を,理解できるまで徹底的にやる」ことです。


私が,ピンポイントで,「わー,これ,情報処理試験と同じ!」と共感したのは,司法試験でも,過去問解説の問題集は洗練されておらず,よくない解答例や解説がいっぱい載っている,という点です。^^;
このとき,「解説がダメ」と言ってみてもはじまらないので,私は「良くない解説であることを前提に,自分の頭で解いてみてから解説に突っ込みを入れながら読む」というやり方をしてました。


弁護士が書いた究極の勉強法」の著者の方も,「よい解説でないことを前提に読むので,自分の頭で理由を導けるか,まず考えてみます。」といわれています。「自分の頭で考えた解説の方がわかりやすいときは,それでよしです。解説の方がわかりやすいときは,その思考過程から学びます。」ということで,解説の方が正しいと思わない姿勢は,大事です。


解説を読んで分からないときには,とりあえず,「?」をつけておいたり,印をつけて,あとで調べます。他社の過去問集を立ち読みしてみてもいいですし,それでもわからなければ,専門書をあたるのもいいです。
個人的な体験だと,ネットワーク分野で疑問を持って調べたときには,オライリー社の「DNS&BIND」や「Sendmail」など,専門書を見ると,原理からよくわかって,疑問点が一気に氷解,ということが多かったです。


全部解決しなかったら,それはそれで「わからない」ままで飼っておくと,そのうち解答に出会えることも多いです。他の問題を解いているときや,たまたま他の人と話をしているときに,急に答えが浮かんでくることも多いです。


大事なのは,「活字情報はすべて正しいと信用しない」ことと,「すぐにわからなくてもあきらめない」ことだと感じています。

国語力の必要な情報処理技術者試験

わく☆すた,美月です。


高度情報処理技術者試験は,知識さえ身につけば受かる試験ではありません。
言葉の意味を覚えるだけでなく,内容を理解して,使われる場面,利点など,様々な視点で学び,自分の体に落とし込む必要があります。そして,最後に必要になってくるのが,「国語力」です。


よく,知識はいっぱいあるのに,「問題文を読み間違える」「文章でうまく表現できていない」ことが原因で落ちる人がいます。種目によって重要度は違いますが,午後2で落ちる人の多くは,このパターンに陥っています。
これは,「国語力」が主な原因だと私は感じています。文章を読みこなして,正確な文章を書くためには,ある程度の練習が必要です。国語力を高校時代までに蓄積している人は,やっぱり試験にも強いです。


国語力は,大きく,正確に文章を読む「読解力」と,きちんとした文章を書く「文章力」に分けられると思いますが,私の経験と感覚から,それぞれの力が必要な情報処理技術者試験の区分ベスト5は,以下のとおりです。


読解力


  1. 情報セキュリティスペシャリスト

  2. データベーススペシャリスト

  3. システムアーキテクト(旧:アプリケーションエンジニア)

  4. ITストラテジスト(旧:システムアナリスト)

  5. ネットワークスペシャリスト

文章力


  1. ITストラテジスト(旧:システムアナリスト)

  2. システム監査技術者

  3. 情報セキュリティスペシャリスト

  4. プロジェクトマネージャ

  5. ITサービスマネージャ(旧:テクニカルエンジニア(システム管理))

順位づけは,結構適当ですので,つっこみがあったらぜひお願いします。^^


ただ,「情報セキュリティスペシャリスト」試験は,国語力がなければまず受からない,というぐらい,国語力の壁があると感じています。読みこなす方も,文章で表現する方も,かなり高度です。自分の言いたいことを,過不足なく50字ぐらいでまとめて表現できないと,点数になりませんので,国語力がないと午後2で落ちることが多いです。データベーススペシャリストは,読むのは大変ですが,文章をまとめるのは定型文が多い分,楽だと思います。


論文系は,国語力がない文章は,見た瞬間に「ダメ」だとわかります。
「論文の書き方」以前に,「言いたいことが相手に伝わる」文章が書けないと,読んでももらえません。論文の採点の仕事をしていると,意外とこの「読んでわからない文章」というのは多いですし,そういう文を書く人は,ほぼ間違いなく不合格になります。
ただ,読みにくい文章は,試験対策講座などで学んだ,論文の「型」にちゃんとはまっていると,意外と,午後2判定は「B」になることが多いです。こういう場合の,AとBの間の壁は,根本的な文章力の壁なので,限りなく高くなります。


情報処理技術者試験の勉強は,何年も繰り返し試験勉強をしていたら受かる,というものではありません。
国語の勉強をしたり,実際にプログラミングを実践してみたりといった,一見試験勉強とは離れたことをやった方が,かえって近道となることも多いです。


落ち続けている人は,自分がいったい「なぜ」落ちているかの原因を探ってみるのも一つの方法だと思います。

国語力の必要な情報処理技術者試験

わく☆すた,美月です。


高度情報処理技術者試験は,知識さえ身につけば受かる試験ではありません。
言葉の意味を覚えるだけでなく,内容を理解して,使われる場面,利点など,様々な視点で学び,自分の体に落とし込む必要があります。そして,最後に必要になってくるのが,「国語力」です。


よく,知識はいっぱいあるのに,「問題文を読み間違える」「文章でうまく表現できていない」ことが原因で落ちる人がいます。種目によって重要度は違いますが,午後2で落ちる人の多くは,このパターンに陥っています。
これは,「国語力」が主な原因だと私は感じています。文章を読みこなして,正確な文章を書くためには,ある程度の練習が必要です。国語力を高校時代までに蓄積している人は,やっぱり試験にも強いです。


国語力は,大きく,正確に文章を読む「読解力」と,きちんとした文章を書く「文章力」に分けられると思いますが,私の経験と感覚から,それぞれの力が必要な情報処理技術者試験の区分ベスト5は,以下のとおりです。


読解力


  1. 情報セキュリティスペシャリスト

  2. データベーススペシャリスト

  3. システムアーキテクト(旧:アプリケーションエンジニア)

  4. ITストラテジスト(旧:システムアナリスト)

  5. ネットワークスペシャリスト

文章力


  1. ITストラテジスト(旧:システムアナリスト)

  2. システム監査技術者

  3. 情報セキュリティスペシャリスト

  4. プロジェクトマネージャ

  5. ITサービスマネージャ(旧:テクニカルエンジニア(システム管理))

順位づけは,結構適当ですので,つっこみがあったらぜひお願いします。^^


ただ,「情報セキュリティスペシャリスト」試験は,国語力がなければまず受からない,というぐらい,国語力の壁があると感じています。読みこなす方も,文章で表現する方も,かなり高度です。自分の言いたいことを,過不足なく50字ぐらいでまとめて表現できないと,点数になりませんので,国語力がないと午後2で落ちることが多いです。データベーススペシャリストは,読むのは大変ですが,文章をまとめるのは定型文が多い分,楽だと思います。


論文系は,国語力がない文章は,見た瞬間に「ダメ」だとわかります。
「論文の書き方」以前に,「言いたいことが相手に伝わる」文章が書けないと,読んでももらえません。論文の採点の仕事をしていると,意外とこの「読んでわからない文章」というのは多いですし,そういう文を書く人は,ほぼ間違いなく不合格になります。
ただ,読みにくい文章は,試験対策講座などで学んだ,論文の「型」にちゃんとはまっていると,意外と,午後2判定は「B」になることが多いです。こういう場合の,AとBの間の壁は,根本的な文章力の壁なので,限りなく高くなります。


情報処理技術者試験の勉強は,何年も繰り返し試験勉強をしていたら受かる,というものではありません。
国語の勉強をしたり,実際にプログラミングを実践してみたりといった,一見試験勉強とは離れたことをやった方が,かえって近道となることも多いです。


落ち続けている人は,自分がいったい「なぜ」落ちているかの原因を探ってみるのも一つの方法だと思います。

解答例を写経のように書き写す~午後問題解答上達法

わく☆すた,けんけんです。
昨日の公開セミナーで,「午後問題の解答の書き方を教えてほしい」とのご意見がありました。午後問題は事例解析など,長い場合は40~70文字位で解答を記載しないといけないので,独学の方などは大変なのかもしれません。
解答の書き方は,有る程度ひな形みたいに決まっている場合が多く,(特にデータベース) 書き方を学ぶには,模範解答を参考にするのが良いかなと個人的には思います。
万人向けではないかもしれませんが,自分がやった方法をご紹介したいと思います。

公開セミナー・無事終了しました

わく☆すた,けんけんです。

今日は,わく☆すたの「公開セミナー」を開催しました。
勉強法から,秋試験のポイントなど,盛りだくさんの内容でした。グループワーク有り,セミナー参加者からの積極的な質問や発言が相次ぐなど,とても盛り上がり,楽しい時間を過ごさせていただきました。
参加された皆さん,お疲れ様でした。

次回の公開セミナーは,このブログなどでお知らせいたします。RSSなどでチェックして下さいね。

ネットワークスペシャリストと情報セキュリティスペシャリストの違い

わく☆すた,美月です。
私は,企業などの研修で,ネットワークスペシャリストと情報セキュリティスペシャリストの試験対策を両方教えています。


この2つ,似ているようで,結構違う試験です。
両方合格する人ももちろんいますが,ネットワークスペシャリスト(テクニカルエンジニア(ネットワーク))は持っていても情報セキュリティスペシャリスト(テクニカルエンジニア(情報セキュリティ))は取れない,あるいはその逆,という人は大勢います。


どっちが難しいか,という難易度を比較すると,私は,


 情報セキュリティスペシャリスト > ネットワークスペシャリスト


だと考えています。


おおまかに,2つの試験で必要な知識を比較してみます。(午前共通は除く)


ネットワークスペシャリスト:

    ネットワーク技術,セキュリティ技術,システム構成技術

情報セキュリティスペシャリスト:

    セキュリティ技術,セキュリティマネジメント/監査,

    ネットワーク技術,開発(設計,プログラミング,DB)


試験範囲は,明らかに情報セキュリティスペシャリストの方が広いです。
ネットワーク,セキュリティの知識だけでなく,マネジメント,監査,開発の知識も要求されます。
なので,ネットワークスペシャリスト試験に受かったからそのまま情報セキュリティスペシャリスト試験も合格,という感じでいけないのは当たり前といえば当たり前です。


ただ,知識の差が主な要因ではないように感じています。
知識の差の部分は,3ヶ月ぐらい真面目に勉強したら,十分補えます。開発経験がまったくないと,もうちょっとかかるかもしれませんが,セキュアプログラミングなどは,出るところは限られていますので,それほど大変な分量ではありません。


いろんな考え方があるとは思いますが,私は,ネットワークスペシャリストはOKでも情報セキュリティスペシャリストはNG,という人の多くは,以下のパターンが多いと感じています。


  1. 読解力(問題を読み間違えないで読む力)の不足

  2. 新しい技術を追って,知識を深める努力をしていない

  3. セキュリティマネジメントの考え方がわかっていない

多分,半分ぐらいは1の読解力が原因だと思いいます。特に,毎回午後2で落ちる人は,このパターンが多いです。ネットワークスペシャリスト試験は,技術が中心の試験なので,読み間違える,ということは,それほどありません。
でも,情報セキュリティは,人間系の話がいろいろからんできますので,P部長の心理,K社の目的など,いろいろ問題文から読み取る必要があるので,油断しているとすぐ意図を読み間違えます。ちゃんと,セキュリティマネジメントの考え方を理解して,最初から最後まで注意深く読むための読解力が要求されるのです。


あと,新しい技術をネットなどで追うことは,セキュリティ技術者として必要なことです。参考書などでは限界がありますので,IPAのセキュリティセンターで報告される事例ぐらいは,チェックしておく必要があります。
3年前の知識だけでは対応できません。2の「新しい知識が不足」パターンは,ネットワークスペシャリスト試験に受かったのが,3年以上前,と言う人に多い感じです。このパターンの場合には,午後2よりも午後1で足切りにあうことが多いと思います。


あと,逆に,情報セキュリティスペシャリスト試験は受かっても,ネットワークスペシャリスト試験は苦手,というパターンもちらほら見受けられます。これは,情報セキュリティの方が「広く浅く」なので,流行を追って,いろんな知識を得ることに長けてる人には受かりやすい試験だからだと考えられます。


ネットワーク技術は,ある意味とても地味です。じっくり「TCP/IP技術」については,深く理解することが求められますし,付け焼き刃の知識は全く通用しません。なので,ネットワークスペシャリスト試験に受かるためには,基礎をしっかり固める必要があります。
このあたりが苦手な人は,ネットワークスペシャリスト試験は上滑りして,どうしても合格できない,という事態に陥ります。


ということで,意外と両立しづらいこの2つの資格の特徴を比較してみました。
自分の状況と照らし合わせて,合格するために必要な勉強を考えてみてください。


両方持っていない人の最初の資格としては,私はネットワークスペシャリストをおすすめします。

学ぶ上での壁を理解する

わく☆すた,けんけんです。


今日は,「学ぶ上での壁」について書きたいと思います。

ネタとしては,「学び方がわかる本」の内容で,自分が企業研修などを行う時に,冒頭や最後に必ず語っています。かなり使える内容なので,ブログにて紹介したいと思います。


学ぶ上での壁は3つあります。(書籍の中では,「学習の障害」として記載されています。)

  1. 誤解語

  2. マスがないこと

  3. 段階の飛び越し


1.誤解語

誤解語とは「聞いたり,読んだりした意味を知らない単語。または,間違った意味で理解してしまっている単語。」のことを言います。
勉強していて,解らない単語がでてきた場合,そのままにしていると,ますますわからなくなってしまいます。この,解らない単語こそが,“誤解語”なんです。

対策としては,『調べて,ちゃんと理解する。』ことです。この積み重ねを行うことが,学びを進めていくことになります。


2.マスがないこと
「マス」とは,学習の対象のことです。
例えば,データベースを勉強する時に,理屈だけで理解しようとすると,結構苦労します。その場合,実際のデータをあてはめてみると,すんなり理解できることが多いです。
データベースは,情報を整理して意味づけしたものですから,データの対象が無いのに,理論だけで理解しようとすることが,「マスがないこと」の状態になります。
また,ネットワークを勉強するときは,実際に流れているデータを追う「パケット解析」をすることで,LANの仕組みが深く理解することができます。


3.段階の飛び越し
これは理解しやすいと思います。
例えば,アルゴリズムを学習する場合,基本情報レベルのアルゴリズムが解けないのに,いきなり応用情報のアルゴリズム問題を解こうとすると,玉砕しますよね。ですから,自分のレベルがどこにあるのかを理解することが大切になります。




この3つの視点を頭に置いて勉強すると,自分がどこで止まっているのかが,客観的に見えるので対策などが立てやすくなります。


また,「誤解語」については,高度情報処理試験,応用情報技術者試験 参考書の選び方に書かれているように,参考書選びにも役立てることができます。


勉強していて,止まった時に,この3つの壁を思い出していただければ幸いです。

高度情報処理試験,応用情報技術者試験 参考書の選び方

わく☆すた,美月です。


よく,勉強法の本なんかに,「参考書選びに悩んでるヒマがあったら,どれでもいいから1冊仕上げた方がいい」という内容の記述があります。
私も昔はそう思ってました。


大学入試の参考書は,それでもOKなところがあります。
大体どの本を見ても,必要なことは書いてありますし,一冊完全にマスターしても,必要な知識が身につかない本は,めったにありません。


ただ,それは受験者が多く,予備校などでの受験の専門家が多い大学受験業界ならではの話です。
センター試験などは,50万人以上受験しますし,人生がかかっていると感じている人が多いので,真剣度が違います。問題のある本は,「使えない!」と批判を浴びて淘汰されていきますので,良書だけが残っていきます。


情報処理技術者試験の参考書を,これと同じ感覚で選ぶと,結構痛い目を見ます。


情報処理技術者試験の場合は,「とりあえず本は買ったけど勉強しない」人が多いので,ちゃんと中身がある本より,値段が安くてお得そうな本が売れてたりします。合格まで行き着く人は,何回かは「この本は買って失敗した!」と感じて,買い直します。ですので,本が売れているかどうかは,実はあんまり指針になりません。(もちろん,売れてるいい本もあります。)


あと,情報技術は,どんどん新しくなっていきますので,内容がすぐ陳腐化します。ですので,本当は毎年,かなりリニューアルしなければならないのですが,なかなか追いつきません。「昔からあるベストセラー本」などは,10年以上前の過去問の内容が平気で載っていたりしますが,古すぎて使えないことが多いです。


と,いろいろな事情がからまって,情報処理技術者試験の参考書は,「その試験区分に出ることが書いてある」という最低限のレベルでも,質の担保ができていないのです。そのため,我が社の廉価版DVD「合格への道標」では,おすすめ本,おすすめでない本を紹介しています。


。。。といって,「じゃあ買ってね」ってのはなんかイヤなので,自分で参考書を選ぶときの,選び方のコツを紹介したいと思います。


まずは自分で,1回分でいいので,実際の「過去問題」を解いてみてください。
試験センターのホームページに,平成16年度からの過去問題,解答がすべて公開されています。


全然わからなくてもいいので,出てくる内容やわからない用語をチェックしてください。
それで,その内容がちゃんと出ているかどうかを,買おうとしている参考書で確認してください。
過去問題の解説が出ている場合は,それを読んで,納得できるかどうかで選ぶのが一番です。


ネットワークスペシャリスト試験や応用情報技術者試験の参考書などは,新技術が出ているかどうか,という以前に,「最近の過去問の内容がちゃんと載っているか」でチェックしても,結構ふるいにかけられると思います。


その上で,「わかりやすそう」とか「実力が伸びそう」と感じられる,自分に合う本を選ぶというのがおすすめです。


本気で合格したい方は,ぜひ,ご自分の目で吟味してみてください。

「わかっていない」自分に気づく

わく☆すた,美月です。
勉強というのは,やればやるほど,わからないことは増えていきます。
あることを勉強して「わかった」状態になると,その「わかったこと」のまわりに,新たにまた「わからないこと」が出てきて,際限はありません。


何も勉強していない,スタート地点は,「わかっていない」のではなく,「わかっていないとも思わない」状態なのです。なので,「わからない」という状態は,少しは勉強したという,成長の証とも言えます。
「わからないこと」を怖れる必要はないのです。


勉強を始めるにあたって,自分の現在地を知ることはとても重要です。
今現在,「何をわかっていないのか」を明らかにすることは,きちんと前に進んでいくために,欠かせない,大事なことなのです。
「わかっていない」自分に気づけるかどうかは,合格できるかどうかの鍵になります。


私の講師としての経験上,こういうことをする人は合格しづらいです。


  • 答え合わせをすると,自分の書いた答えを消して,正解を書き込む

  • 「自分で解いてください」と言われても解かず,解答が出るのを待って書き写す

  • 自分が解いた問題や試験の,自己採点をしない

  • 博識を示すため,「自分がわかっている知識」を必要以上に披露する

  • 「自分がわかってない」ことを一生懸命隠そうとする

勉強する時には,「何がわかっていないか」を探る作業をし,それを理解してわかっていく,ということの繰り返しになります。
何がわかっていないかがわからないと,何をわかればいいのかもわからなくなります。
ですので,「わかったふり」をすると,進歩が止まるのです。


逆に,こういうことをする人は,結構スイスイと合格していきます。


  • 「わからないこと」を明確にして,的確な質問をする

  • わかるまで何度でも,同じ本や問題を繰り返す

  • 自分が,「基礎がわかってない」と気づいて,基礎を勉強し直す

  • 答え合わせで,自分が間違えた部分は,「赤字で目立つように」印をつける

  • 自己採点のとき,「あてずっぽうで正解した問題」も間違いにカウントする

  • ノートに,自分がわからない部分に,大きく「」をつける

  • 参考書のわかってない部分に,付箋をはったり印をつける

自分がどこがわかってないかを明らかにする作業は,実力をつける上で,とても役立ちます。
そんなに手間をかけなくても,消しゴムを使うことを減らして,赤色のペンを使用するだけでも,結構変わってくるものです。


仕事の時や営業先,客先などでは状況によっては,「わかったふり」をしなければならないことは多々あると思います。
でも,勉強の時には,「わかってない自分」を出した方が,より効果的に,自分の目的のゴールに近づくことができます。


ぜひ一度,「わかっていない」自分を探してみてください。

システムアーキテクト試験

わく☆すた,美月です。
今日は,新試験「システムアーキテクト」のお話しです。


アーキテクト(建築家)という言葉が,システム開発でも言われ始めたのは,7~8年ぐらいからだったと思います。システム開発でも,アーキテクチャを考えて,全体像を見ながら設計する人が必要だよね,という話は,いろんなところで聞きました。


当時,「職業としてのソフトウェアアーキテクト」という本が出て,ソフトウェアアーキテクトになりたいな,とちょっと憧れてました。
ソフトウェアアーキテクトの本質的な役割は,発注者(クライアント)の利益になるような設計を行うこと,とその本にはあります。クライアントの意見に耳を傾け,それを設計図に落とし込み,ビルダー(プログラマー)との間で橋渡しをする役目です。なので,全体像を見通して,全体最適の視点で考える必要があります。また,技術的にも,利用可能な技術に関して幅広い知識を身につける必要があります。


そこで,以前から「アーキテクト」の資格ができたらいいな,とは思っていたのですが,新試験制度でやっと登場したのが「システムアーキテクト」試験です。


。。。の割に,あんまり注目を浴びてない気がします。
まわりでも,「ITストラテジスト」や「ITサービスマネージャ」の話題は良く聞くのですが,「システムアーキテクト」は,話題にもあまりのぼってきません。(私のまわりだけでしょうか?)
なんとなく,アーキテクトという言葉の割に,地味な感じの試験です。


試験センターのホームページによると,システムアーキテクトの対象者像は,以下のようになっています。


  高度IT人材として確立した専門分野をもち、
  ITストラテジストによる提案を受けて、
  情報システム又は組込みシステムの開発に必要となる要件を定義し、
  それを実現するためのアーキテクチャを設計し、
  情報システムについては開発を主導する者


ちなみに,去年までのアプリケーションエンジニアの対象者像はこんな感じです。


  情報システム開発プロジェクトにおいて、プロジェクト計画に基づいて、
  業務要件分析からシステム設計、プログラム開発、テストまでの
  一連のプロセスを担当する者


だいぶん,イメージは変わっています。全体最適化を考えるように,上流工程に重点が置かれた印象です。


あと,試験範囲として,一番大きな違いは,役割と業務,期待する技術水準に,〔組込みシステム〕が加わったことです。午後1の組込みシステムのサンプル問題を見ると,「システムアーキテクト試験では,アプリケーションエンジニア試験に比べて組込みシステムが対象に加わることを示しています」ということで,午後1の1問ないし2問は,組込みシステムに置き換わることを示しています。
また,もう一問の,午後1の情報システムのサンプル問題を見ると,「アプリケーションエンジニア試験に比べて拡張された,「全体最適の視点からの情報システムの構造設計及びシステム方式の策定・設計」」という記述があり,アプリケーションエンジニアよりは,よりアーキテクト的な視点が求められることがわかります。
午後2も同様に,拡張された部分のサンプル問題が出ています。


今までのアプリケーションエンジニア試験は,論文試験の中でも簡単な部類に入る試験でした。私自身,最初に合格した論文試験ですし,基本的に自分が経験してきた「システム開発者の立場で」書けばいいので,無理なく論文が書ける試験でした。
今回の試験改訂で,若干「全体最適化」という高い視点が求められる問題も出るのかな,という印象ですが,あくまで,「拡張」された部分なので,従来と同じような問題も出ると予想されます。
私の個人的な予想では,午後2は,従来のアプリケーションエンジニアと同じような問題1問,全体最適化が問われる問題が1問,組込み1問,という感じだと思っています。

午後1に関しては,アプリケーションエンジニアの午後1は,もともとDFDやアクティビティ図,業務フローなどの設計をさせる問題が中心だったので,特に変わらないのかな,とは感じています。組込みが加わってくるので,組込系の技術者には選択肢が増えたのではないかとは思います。

試験参考書は,私が見る限り,アプリケーションエンジニア試験とほとんど変わっていないものばかりでした。午後は選択なので,新しい分野を取らない,と決めてかかれば,それもありだとは思います。
残念ながら,新しく追加された分野を勉強するのは,自分で情報を得ながら学んでいく必要がありそうです。

初回で面白そうな試験が目白押しですが,今のところ私は,このシステムアーキテクト試験を受けてみようと考えています。

ネットワークの基本(1) OSI基本参照モデル

わく☆すた,美月です。
今日は,ネットワーク技術の中身のお話です。


情報処理技術者試験を勉強するとき,「OSI基本参照モデル」というのが出てきます。
これは,標準化団体ISOが,違う会社同士のネットワーク機器を接続するために作った,ネットワーク構造の設計方針の指針です。


ネットワーク通信をするためには,最低でも送り先と受け手に,2台の機器が必要です。標準化してないと,「同じ機器を2台買ってくださいね^^」ってことになって,同じメーカの機器ばっかり売れてしまいます。10000台つなぐなんてことになったら,10000台全部同じメーカーです。
そうすると,大手の第1位のメーカばっかり儲かってしまって,それ以外のところは困ってしまいます。なので,全社共通で標準化して,方針に従ってネットワーク機器を作れば,違う機器同士でも接続できるようにしたのです。


OSI基本参照モデルでは,


  • アプリケーション(応用)層

  • プレゼンテーション層

  • セション層

  • トランスポート層

  • ネットワーク層

  • データリンク層

  • 物理層

の7つの階層が出てきます。
これは,通信に必要な機能を7つに分けたもので,それぞれが独立してます。


それぞれの機能の説明は,本などにゆずりますが,ここでは,この「使い方」についてお話ししたいな,と思います。


情報処理技術者試験の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に受かるためだけだったら,とりあえず,「アプセトネデブ」とか頭文字で順番に覚えて,それぞれのキーワード(例えば,トランスポート層は「信頼」とか)を押さえればいいと思います。


でも,ネットワークスペシャリストを受けるんだったら,また,ネットワークを専門に仕事でやるんだったら,これは「体に染み込む」ぐらいになる必要があります。


OSI基本参照モデルが,一番活きてくる場面は,トラブルシューティングです。
ネットワークがつながらないとき,下の階層同士だけがつながることはあっても,上の階層同士だけがつながることは絶対ありません。
なので,トラブルシュートの鉄則は,「OSI7階層の下から上へ」です。


実際,「メールが読めない」(アプリケーション層)という連絡を受けて現場に行ったら,ハブの電源が抜けていた(物理層)の問題だった,というのは,良くあります。
とっさに,下の階層を疑うのは,トラブル時の基本です。


なので,OSIの7階層は,ネットワークの基本として,しっかり押さえておく必要があります。
単に覚えればいい,というものではなく,役立つ基礎として,きちんとマスターしておきましょう。

【告知】公開セミナーを開催します

株式会社わくわくスタディワールドでは,今年から公開セミナーをいろいろ開催してます。


秋向け初のセミナーは,「そろそろを秋試験に向けて勉強を始めよう!」というきっかけをつかんでいただくために,5月17日(日)に,「今日から勉強を始めよう セミナーDAY」を開催します。


セミナーは,以下の内容で,2部構成です。


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わく☆すた 公開セミナー   「今日から勉強を始めよう セミナーDAY」


講 師: 瀬戸 美月 (プロフィールはこちら


日 時: 2009年5月17日(日)

      第一部 9:50~12:50 第二部 13:50~16:50


第1部 「自分らしく輝くための勉強法」 9:50~12:50

対象:情報処理技術者試験に限らず,勉強法を知りたいと思っている人

内容:
・自分の本当にやりたいことを見つける方法

・自分が輝くために必要な勉強の内容

・実際に実現できる計画の立て方

・始める技術,続ける技術,やめる技術

・思い込み勉強法の間違い,学習理論を応用した効率的な勉強法

・楽しく,本質的な学びを得るために必要なこと

・勉強法に関するQ&A

など


第2部 「秋の情報処理技術者試験,合格のポイント」 13:50~16:50

対象:情報処理技術者試験受験者

 対象試験区分:応用情報技術者(AP),ネットワークスペシャリスト(NW),情報セキュリティスペシャリスト(SC),高度論文系種目(SM,SA,ST)

内容:

・前回の試験分析と,今回の試験傾向予想
・合格するために情報処理試験全般に必要なポイント

・合格するために各試験ごとに必要なポイント

・記述式,事例解析問題に対する学習方法
・論文の学習方法
・教材(参考書,問題集,DVDなど)の選び方

・受講者が気になっている試験内容のQ&A

など


定 員:各20名

場 所:東京都 板橋区起業活性化センター

参加費:第一部 5,000-,第二部 5,000-(税込み,銀行振込のみ)


第一部,第二部と終日ご参加の方には,平成21年秋版の「合格への道標」DVDのいずれか一本をプレゼントいたします。


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2部構成にしたので,情報処理技術者試験対策以外の人も来てくれるかな,と思ったのですが,やっぱり第二部の方が人気です。^^;


疑問点,一人で悩んでいる点などありましたら,ぜひ持ってきてください。
質問はいくつでも大歓迎です。
もちろん,具体的な勉強内容に関しての質問も,大歓迎です。前回は,「OSI階層モデルの意味」なんて話も出てきて,深い理解につながりました。


その他,わからないことがありましたら,遠慮なくお問い合わせください。


それでは,皆様とお会いできるのを,楽しみにしています。

YouTube裏話・画質編

今日は,けんけんが書いています。
わく☆すたでは,YouTubeで午前問題の解説動画を公開しています。今日は,その裏話を少々お話ししたいと思います。
前回の公開セミナーで「すごく画質がいいんですよね~」とお褒めのお言葉をいただきました。良い画質とは言っても,撮影しているのは,SONYのハンディカムだったりします。^^;
一応,ハイビジョン対応(HD画質)のビデオカメラですが,公開するにはハイビジョンは必要ないので,標準画質(SD画質)で撮影しています。
手を加えているところは,「スノーモード」で撮影すること。編集ソフトで色の調整。出力フォーマットをMP4にしている。の3点です。
昔の動画は,今と比べると若干暗いことに気がつきます。それは,ホワイトボードを撮影しているので,写真をやっている人は常識なんですが,白い物の露出は若干暗めに合ってしまうからなのです。なので,ビデオカメラに「スノーモード」なる“雪景色撮影モード”があることに気がついて,途中からこのモードで撮影しています。ですので,最近の動画は,自然な明るさになっていると思います。
また,昔の動画は,黄色かったり,オレンジがかっていたり,色がばらばらなのも見受けられます。これは,部屋の中で撮影しているので,夕方だとオレンジになり,夜間だと蛍光灯の色になっていたりするためです。
「とりあえず許容範囲だよな」とそのままで公開していたのですが,(\(^^;ヲイ)ある日,とんでもない事が発生したのです。それは,DVD教材を撮影した動画が,真っ黄色の動画になってしまったのです。さすがに,これは製品にならないと,いろいろ調べると,どうも色を調整する機能が動画編集ソフトにはあることがわかったのです。
黄色の補色(反対の色のことです)は青なので,青色の割合を増やす事で,対応できました。
ここで午前の動画でも色補正はできるぞと思い立ち,ホワイトバランスを動画編集ソフトで調整し,今に至るのです。
また,MP4出力は,YouTubeでちょっと前に“高画質に対応”した事があって,高画質でアップロードするためには,MP4フォーマットで上げないといけないからです。(今は,HD画質にまで対応してますよね~。)
動画編集ソフトは,「Adobe Premiere Elements 3.0」を使っています。これは,出力動画のメニューの中にMP4は無いのですが,設定を細かく変える事で,MP4出力ができることがわかり,午前問題の解説動画は途中からMP4にしています。
以上のような工夫の上に,YouTubeの午前解説動画は公開されているのです。
次に続く・・・(かも)

ITサービスマネージャ試験

わく☆すた,美月です。
今日は,2009年度からの新試験「ITサービスマネージャ試験」について書きます。


先日,友人が,「ITサービスマネージャ試験をみんなで受けよう!」と熱く語ってました。
私が,「え~,それってシステム管理じゃん」と言うと,「名前が変わって,一気に印象が変わったのでおいしい資格。しかも,ITILとか,新しいことを身につけてるアピールにもなるし」と言われて,なるほどな,と感じました。


ITサービスマネージャ試験は,去年までのテクニカルエンジニア(システム管理)の後継の資格ですが,ITILを意識して,運用管理だけじゃなくもう少し大きく,ライフサイクル全体のマネジメントのプロセスについて見ていく感じです。


試験センター発表の,ITサービスマネージャの「役割と業務」は,以下のように定義されています。


【ITサービスマネージャ 役割と業務】
IT サービスの品質とコスト効率の継続的な向上を目的としてIT サービスをマネジメントする業務に従事し,次の役割を主導的に果たすとともに,下位者を指導する。


  1. 運用管理チーム,オペレーションチーム,サービスデスクチームなどのリーダとして,サービスサポートとサービスデリバリのプロセスを整備・実行し,最適なコストと品質で顧客にIT サービスを提供する。

  2. アプリケーションに関するライフサイクル管理のうち,システムの受入れ,運用などを行う。また,開発環境を含めて安定した情報システム基盤を提供し,効率的なシステムの運用管理を行う。

  3. IT サービスとマネジメントプロセスの継続的改善を行う。IT サービスの実施状況を顧客に報告するとともに,顧客満足度向上を図る。

  4. 情報セキュリティポリシの運用と管理,情報セキュリティインシデント管理を行い,IT サービス活動の中で情報セキュリティを効果的に管理する。

  5. 顧客の設備要件に合致したハードウェアの導入,ソフトウェアの導入,カスタマイズ,保守及び修理を実施する。また,データセンタ施設のファシリティマネジメントを行う。

ちなみに,テクニカルエンジニア(システム管理)の時は,こんな感じでした。


【テクニカルエンジニア(システム管理) 役割と業務】
情報システム基盤(業務システム共有のシステム資源)を企画・構築・運用する業務に従事し、次の役割を果たす。


  1. システム管理者として、情報システム基盤に関する構成管理・障害管理・性能管理・課金管理・セキュリティ管理を行う。

  2. 情報システムの安定的・効率的な運用のための改善活動を行う。

  3. 新規システム受入れに伴う運用テストとシステム移行を計画・実施する。

  4. システム利用者に対して技術的な助言・援助・支援を行う。

こうやって比べると,ITIL色が加わって,大分,言ってることが大きくなったなぁ,という感じですね。あと,新制度の方が,セキュリティ管理も重視されてます。
簡単にまとめると,「従来のシステム管理+ITIL(+セキュリティ)」っていう感じです。


出題形式で見てみます。
午前1は高度共通なのでいいとして,午前2。


出題範囲は,以下の8分野です
 コンピュータシステム
   コンピュータ構成要素
   システム構成要素
 技術要素
   データベース
   ネットワーク
   セキュリティ
 プロジェクトマネジメント
   プロジェクトマネジメント◎4
 サービスマネジメント
   サービスマネジメント◎4
   システム監査


◎4は,重点分野で最難関のレベル4,他はレベル3です。
これを見ると,実はプロジェクトマネージャの要素が大きいのかな,と感じます。


午後は,論文系の午後1はゆるいので,合否を分けるのはやっぱり午後2の論文だと思います。午後1は,過去問を解いて解ければ,大体問題ないです。ただ,ITILが試験に加わってくるので,このあたりの知識は,ちゃんと身につけておいた方がいいです。


個人的には,テクニカルエンジニア(システム管理)は,他の論文系に比べて,ちょっと楽な試験,という印象です。理由は,論文を書くのが比較的楽だからです。


論文を書くときの心構えとして,「立場をわきまえる」ことは大切です。
プロジェクトマネージャ試験などで,「自分が実際に開発した」立場から書くと不合格になります。システム監査で,第3者でなく当事者の視点でかくと,不合格です。
「システム管理者」というのは,管理をする人なので,比較的イメージしやすいですし,立場を外すことは考えづらいのです。単純に,「管理者の立場で,プロセス全体を考える」視点があれば,的を外すことは少ないです。


ですので,ちゃんと論文の書き方を練習して,必要な知識を身につければ,比較的合格しやすい試験区分だと考えています。
ITILが入ってきて試験範囲が広くなる分,逆にITILのフレームワークの考え方や知識を身につけて,それを論文に活かせれば,より楽に論文を完成させることができます。


いずれにしても,論文初心者の合格への一番のポイントは,「合格論文の書き方」を身につけることです。そのため,最初の論文対策では,一度論文対策講座に行ったり,論文添削を受けるのはおすすめします。
私自身も,最初の論文試験の時には,アイテックで開催された加藤忠宏先生の講座にお世話になりました。個人的には,勉強会形式でやってるものより,きっちり有料の対策講座を受けた方が最終的には速くて効率的だとは感じています。
1つ受かったら,論文試験は基本的に似たようなものなので,自力でも結構行けると思います。


とりあえず,この試験受けるなら,今のうちにやることは,ITILの勉強なのかな,と思います。
今出ている試験対策書見ると,昔のシステム管理の内容しか出てないものが多いので,ITILに関しては,専門書やITILファウンデーション資格の対策本などで,独自に勉強した方がいいです。
#正直,今からやらなくても間に合う,とは思いますが。。。^^;

字をきれいにする方法

わく☆すた,美月です。
最近なぜか立て続けに,「字がきれい」というのをほめられる機会がありました。
自分的には,親にずっと「字が汚い」と言われ続けてきたし,自覚はないのですが,素直に受け取っておこうと思います。^^;


ということで,今日は「字をきれいにする方法」のお話しです。


私の字は,ひとことで言って,訓練のたまものです。
うちの祖母が厳しい人で,幼稚園の年中ぐらいから,書道教室に通わされて,毎日練習させられてしました。硬筆(鉛筆書き)が中心で,やめる頃には十段ぐらいまでは行っていたので,鉛筆で字を書くことは今でも得意です。
当時は練習するのがイヤでイヤで,祖母を呪いましたが,今となっては感謝です。


ただ,高校生ぐらいのとき,「丸文字」が流行して,それを練習してしまったので,丸文字の名残がいまだに残ってます。^^;
これは当時,父や祖母に,「なんでわざわざ字を汚くするんだ!」とめちゃめちゃおこられましたが,「かわいいんだからいいじゃん」と反抗して,やり続けました。
なので,私の字は,楷書で美しい字ではなく,未だに少し丸文字です。


ということで,字に関しては,「練習すればすぐに変わる」というのが率直な印象です。
実際,ボールペン字の通信講座でも,「字がうまくなる本」でも,ちゃんとやればすぐに劇的に変わります。


特に,ひらがながちゃんとかけるようになると,読みやすさは格段に向上します。
実際,試験の採点をしていると,読めない字は意外にも,漢字よりもひらがなの方が多いので,ひらがなをきちんと書く,というのは大事です。


ひらがなから練習して,徐々にうまくなっていくと,自信にもつながっていいのかな,と感じてます。
最近は,ニンテンドーDSなどで練習する方法もありますし,いろいろ試してみるのもおすすめです。


・・・と,ここまでは精神論で,あとはテクニックを。


試験の採点をしていると,読めない字がいっぱい出てくるのですが,しばらく読んでると慣れます。特に論文は,最初は読みにくいのですが,徐々に読めるようになってきます。多分,脳が慣れるからだと思います。


採点する側の立場から言うと,最初が一番読みにくいので,そこだけ,丁寧に読みやすく書いていただけると,格段に印象が変わります。途中で字が崩れていくのは,慣れていくので大丈夫です。
論文試験の時には,「設問アの半分くらいまでは丁寧な字で書く」というテクニックがあるのですが,これはおすすめです。
スペシャリスト系の午後2や,午後1問題でも,最初のうちは丁寧に書いて欲しいな,と思います。


筆記用具の影響も大きいです。
私は,字がきれいに見えるので,普段は万年筆を愛用しています。
同じ力をかけても,「きれいな字になるよう」な抵抗があるので,いい万年筆で書くほど,努力しなくてもきれいな字になります。
万年筆の書き心地の良さ,字がきれいになる度合いは,一度はまると手放せないぐらい最高です。^^


試験には万年筆は使えないので,鉛筆にこだわるのも手です。
個人的には,普段はステッドラーの製図用,デッサン用の鉛筆を愛用しています。
ただ,これだと論文書きには薄いので,論文時には三菱のUniのHBや2Bを使ってます。
そういえば,最初のうちはHBで丁寧に書いて,時間がなくなってくると2Bでとにかく量を書く,という使い分けもやってます。
安い鉛筆と高い鉛筆を比べると,書き心地も,きれいな字にするための労力も違うので,鉛筆にお金をかける,というのはおすすめです。




いずれにしても,字のうまい下手は,生まれつきのものではありませんし,練習や筆記用具次第で,いくらでも変えることができます。
あとは,そこに労力やお金を注ぎ込む気があるかどうかだと思います。

新制度のネットワークスペシャリスト試験について

わく☆すた,美月です。
今日は,今年から実施される,新制度の「ネットワークスペシャリスト」試験の話です。


テクニカルエンジニア(ネットワーク)からネットワークスペシャリストになって,大きく変わるのは,以下の3点です。


  1. 午後1が,4問中3問から3問中2問になること

  2. 午前が午前1,午前2に分かれ,春の高度試験で午前1に受かっていると午前1が免除になること

  3. 午前2の出題範囲が,従来の午前より狭くなること(でも,ネットワーク以外も出る)

逆に言うと,これ以外は基本的に一緒です。
データベーススペシャリストと同様,新制度になってもほとんど変わらない試験の一つです。


過去問は,今までどおりで十分使えます。
午後2は全く一緒です。午後1も,春試験を見る限り,分量が多くなる可能性は高いですが,出題傾向は変わらないと考えられます。


とはいえ,ここはやはりネットワーク分野。データベース技術はあまり変化しないのに対して,ネットワーク技術やどんどん進化しています。特に,ネットワークセキュリティ分野は,10年前と今では,全然別物といっていいぐらい違います。


なので,ちゃんと新しい技術を追い続ける必要はあります。
ただ,「最新技術」を追い求める必要はなくて,それより「現在使われている技術」についてちゃんと理解していることが大切です。最新すぎる技術,古すぎる技術は出てきません。
例えば,WAN関連では,日経BPのページで製品&サービスを見てみると,世の中で提供されているサービスの流行が見えてきます。実際,IP-VPNや広域イーサネットは,出題数はとても多いです。X.25(パケット交換)などは出てきません。


あと,どんな技術でも,基本は大事です。
ネットワーク技術の基本,と言ったとき,何を理解するのが大事かというと,私は「TCP/IP技術」だと考えています。
ここは,人によって,「HDLCがすべての基本」「電磁気学が大事」という人もいるので,一概にはいえないのかもしれませんが,私は,今の技術を理解するベースには,TCP/IPが理解できていればいいんじゃないかと感じています。


ベースとしてTCP/IPを押さえた後,Ethernetを中心としたLAN技術,インターネットVPNや広域イーサネットを中心としたWAN技術,ネットワークを支えるセキュリティ技術を学ぶ,という形が,無理がなくていいと考えています。


合格できない人の典型に,「最新技術はいっぱい覚えてるんだけど,理解してない」というパターンがあります。CCNPを持っていても,ネットワークスペシャリストには合格できない,と言う人は結構多いです。ネットワーク技術には,専門用語がいっぱい出てくるので,覚える必要はある程度ありますが,覚えることよりも,「仕組みを理解すること」が一番大切です。


ネットワークスペシャリスト試験は,ちゃんと方向を間違えずに勉強しさえすれば,応用情報技術者試験レベルからだと半年で,十分受かる試験です。
個人的な感覚では,方向を惑わせるトラップがいっぱいあるから,合格にたどり着けない人が多い,そのため必要以上に難しく感じられている,と感じています。


なので,ネットワークスペシャリスト試験に関しては,他の試験以上に,「方向性」を伝えていきたいな,と考えています。

ノートの取り方は人それぞれ

わく☆すた,美月です。
ゴールデンウィーク中,いろいろ出かける仕事が入っていたのですが,今日は家で仕事なので,なんとなくのんびりしてます。


昨日,友人の家族の家に遊びに行って,「私がセミナー中取ってるノートがすごい!」と言われて,すごくうれしくなりました。
といっても,特殊なものではなく,私の今のノートの特徴は基本的にこれだけです。


  • 見出しをつけて,左から右,上から下に,時系列で起こったことを書いて行く

  • 色分けをして,大事そうなことは赤,途中で自分が思いついた面白いことは,緑で記入する。

  • 字だけでなく,絵や図でノートを書く。そのため,ノートは必ず方眼罫。

自分の特徴として,素直に時系列で物事を考えているので,上から下に普通に書いて行くのが性に合っています。マインドマップとかの放射線状のものはいろいろ試してみましたが合いませんでした。


あと私は,物事を言葉よりもイメージでとらえることが多いので,字だけでなく絵を加えると,すごく頭に入ってきますので,ノートに絵を加えることが多いです。セミナーの板書でも,イメージに残りやすいので,よく絵を使います。


色分けはかなり印象に残って,簡単だけどあとで見直ししやすいので,3色ボールペンは必ず携行してます。昔は,10色や20色のサインペンも使ってましたが,そこまで使わないことに気づいたので,今は基本,黒,赤,青,緑の4色です。重要なのは緑で,緑があると,色の幅が広くなって楽しくなります。


ただ,これはあくまで,「私の」ノートです。他の人は,自分がベストだと思うノートの取り方を,いろいろ試してみるのがおすすめです。自分のノートの取り方でも,4色の色分けは,向いてる人は多いと思いますのでおすすめできると感じてます。でも,イメージを絵で描くのは,結構特殊な特性なので,あんまりマネはできないと思います。


ノートの取り方は,小学生の時からいろいろ研究してきました。
最初に出会ったのは,「学習ノート楽勉術」という本で,この本に小学5年生ぐらいで出会ってから,いろいろノートの取り方を工夫するようになりました。
ってことで,今までいろいろ試してきた,参考になりそうな本を,紹介したいと思います。


1.「三色ボールペン情報活用術
 これは,ノートの取り方だけではなく,情報活用全般の本ですが,ノートを3色(赤,青,緑)で色分けすると,重要性が一目瞭然でわかるのでおすすめです。赤は重要な色!という認識は,日本で学校教育を受けていると誰でも大体身についているので,ピンポイントで活用すると,重要なことが頭に残りやすくなります。


2.「人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考
 マインドマップは向き,不向きがあるので,何でもこれでOK,というわけではないとは思いますが,向いてる人には爆発力があるので,試してみる価値はあると思います。私は結局,あるテーマについてのアイデアを発想するときなど,型にはまらない思考をするときのみに使っています。


3.「STUDY HACKS!
 これは,ノート術というより勉強法の本ですが,「紙のノート」だけがノートじゃないと,気づかせてくれた本です。いろんなツールが紹介されています。私は,人と共有するノート,あと,ネットで講義を聴きながら取るノートは,基本的にGoogle ドキュメントを使ってます。あと,モレスキンのノートは,ここで知ってから,愛用してます。


4.「ノートは表(おもて)だけ使いなさい~超人気メモ・ノートを開発したノートのプロが教える情報活用術
 学生向けではない,大人のノートの取り方が解説されています。大人の会議でのノートの取り方を中心に,社会人の勉強で使うノートの取り方についても記述があります。最近凝ってるのは,ここで紹介されているマルマンの切り離しできるノートです。A4のノートを,表だけ使って切り離すと,資料と一緒に保存できるので,ノート+資料の整理が楽です。これは,まだ試している途中なので,定着するかどうかは今後次第です。


他にもいろいろあったと思いますが,ベストなノートの取り方は人それぞれだと思いますし,「美しいノート=いいノート」ってわけでもないです。場合によっては,「ノートを取らないで,その場で全部マスターする」方がいいこともあります。


自分なりのノートの取り方,見つけてみてください。