
新試験制度での過去問学習
わく☆すた,美月です。
試験対策をする時,どの種目でも「過去問3回分」をやっておくのはおすすめです。試験傾向がつかめますし,解くこと自体がすごく勉強になります。簡単な試験だと,これだけで受かることもあります。
アイテックの「徹底解説 本試験問題」シリーズは,全試験区分出版されていて,書籍としては一番解説の詳しい過去問集だと思います。私も,応用情報技術者とデータベーススペシャリストは毎回執筆させていただいていますし,書き手としては,字数制限がなくしっかり説明できるので,書いていて楽しいです。^^
値段がちょっと高めですが,高いだけの価値はあると思います。文章を読んで理解するのが得意なタイプの人には,このシリーズはおすすめです。
ただ,研修でちょっと困ったのが,「2009秋 徹底解説 情報セキュリティスペシャリスト 本試験問題」。「過去問3回分」は確かに載っているのですが,さりげなく20年秋が「情報セキュリティアドミニストレータ」の問題になってます。
春の試験を見る限り,情報セキュリティスペシャリスト試験は明らかに「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)」の後継なので,過去問3回分は,テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)の過去問をやった方がいいです(+αで情報セキュリティアドミニストレータもやってもいいとは思いますが)。となると,本が1冊で足りなくなり,中古で手に入れる必要が出てくるので,結構悩ましいです。
と考えてみて,そういえば,過去問がそのまま使える試験って,結構少ないな,ということに思い当たりました。特に,新試験制度で,今回から範囲が変わる試験は,注意が必要です。
試験センターの「情報処理技術者試験 新試験制度の手引き」では,最後の方の<図8 新試験と現行試験の体系図>で,変わる試験と変わらない試験を図示しています。それをもとすると,過去問を使えるか使えないかは,こんな感じになるのかな,と考えています。
<範囲は変わらないので,過去問をきっちりやればOK>
・ネットワークスペシャリスト
・データベーススペシャリスト
・エンベデッドシステムスペシャリスト
・プロジェクトマネージャ (ただし,論文の形式は変更)
<ちょっと範囲が変わる試験>
・情報セキュリティスペシャリスト
情報セキュリティアドミニストレータの内容も若干入ってくるため,合わせてやる
ほうがベスト。ただ,基本はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)
・システム監査
去年までより,「情報技術において広く深い理解を求める」とある。
ただ,他の区分を持ってるなら問題ないレベル。
・システムアーキテクト
「全体最適の観点」が加わる。なので,アプリケーションエンジニアだけでなく,
システムアナリストの午後1も解いてみるのがベター。
・ITサービスマネージャ
「ITILに沿って再編し,マネジメント面をより重視」となっている。一番変わるかも。
ITILファンデーションの問題や,プロジェクトマネージャの午後1を解いてみると
いいかも。
・ITストラテジスト
「経営寄りの事業戦略策定,IT戦略実行管理・評価の分野を追加」となっている。
情報処理試験から外れて,中小企業診断士やMBAの勉強を加えた方が良さそう。
<範囲を変えないこともできるけど,変えることもできる>
・基本情報技術者
いままでの過去問ができれば受かる。でも,ストラテジ系,マネジメント系の問題や
表計算を選択する場合には,他の勉強が必要。
・応用情報技術者
ソフトウェア開発技術者の過去問ができれば受かる。でも,ストラテジ系,
マネジメント系を選ぶ場合は,過去問はあまり使えない。
と考えてみると,今秋の試験の場合は,「過去問がそのまま使える」試験の方が少ないなぁ,という感じです。
2,3年すると落ち着いてくるとは思いますが,今期は,「出題の範囲を予想する」ところから,実力が問われている感じです。変化を楽しむ心構えで行けば,かなり楽しめるんじゃないかと思います。