株式会社わくわくスタディワールド

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わく☆すたブログ ページ 86/91

価値感型とビジョン型

わく☆すた,美月です。
私は実は,「目標」を持って頑張る,というのが苦手です。
小学生の頃,運動会や体育大会が,とっても苦手でした。
単に運動神経が鈍いから。。。というのももちろんあったのですが,「優勝」という目標に向かって頑張る,という意味が理解できなかったのです。
なぜ,優勝しなければならないのか,別に優勝したって,賞品が出るわけでもないし,次の日には忘れ去られていることなのに,なぜ,共通の「優勝という目標」を目指さなければならないのかが,わからなかったからです。特に,クラス対抗の「ドッジボール大会」のために,毎日昼休憩と放課後をつぶして練習,というのはとてもイヤで,よく逃げ出してたのを覚えています。クラスからは「一生懸命頑張らないダメなやつ」というレッテルを貼られました。先生も,なぜそんなことをやらなければならないのかを聞いても,「優勝を目指してみんな頑張るのが当たり前」と,あまり相手にされませんでした。
今,大学で学校教育について学んでいますが,そこには,「学校行事の目的」が,ちゃんと書いてあります。学校行事は,優勝することそれ自体に意味があるわけではなく,行事を通じてクラスをひとつにまとめること,行事によって生徒が成長することが本来の目的のようです。
小学生の自分に,「クラスがまとまるためには共通の目的が必要なんだよ。優勝することより,頑張って成長することが本来の目的だよ」ということを説明してくれる大人がいれば,私もちゃんと参加してたかなぁ。。。とは思います。
自分は,小さい頃から「与えられた目標」だと動けなかったようです。
ということで,前置きがちょっと長くなりましたが,今日の話は,人間には2タイプあるということです。
人が何かを行う時の動機には,「価値感型」と「ビジョン型」の2つのパターンがあります。このあたりは,「成功するのに目標はいらない!―人生を劇的に変える「自分軸」の見つけ方」をはじめとして,いろんな本に書かれていますが,一般的に,西洋人は「ビジョン型」がほとんどと言われています。
「ビジョン型」というのは,自分の「目標」を定めると頑張れるタイプです。西洋人は,基本的にビジョン型なので,目標を立てて頑張る,というのが当たり前のように言われます。「目標を立てなきゃダメ」という感じです。
それに対し,「価値感型」は,目標を立ててもあまり動けず,自分の価値感をベースに動くタイプです。目標より自分の生き様に重点をおいていて,「最高の品質を求める」「お客様に役に立つ」などの価値感でやる気が出ます。
日本人には結構多いらしいのですが,会社経営のやり方などは,基本アメリカやヨーロッパからの輸入ですので,「ビジョン型」の価値感を押しつけられて苦労することが多いタイプです。
この話を聞いて,自分は価値感型なんだなぁ,としみじみと感じました。
職人的な家で育ったからか,「最高品質のものを作る」という価値感で動くことはとても自然にできます。でも,「売り上げ目標達成のために,とりあえずごまかして物を売りつける」ことは,強制されてもできません。会社員時代,「目標管理シート」などを書かされましたが,あんまり達成率は良くなかったです。^^;
価値感型の人は,「これが目標だから」ということでは,納得できないと思います。
例えば,ビジョン型の人だったら,「ネットワークスペシャリスト試験に合格する」という目標を定めただけで,目標に向かって頑張れるのかもしれません。それだけだとダメでも,「ネットワークスペシャリスト試験に受かったら,報奨金がもらえるから頑張る」というので十分な人も多いと思います。でも,価値感型の人は,これだと逆に頑張れないことが多いと思います。
ですので,私がよく講義でお話しするのは,「なぜ,その試験を取りたいのかを十分考える」ことです。価値感型の人は,自分の価値感に沿って,その資格を取る勉強が必要だと心から感じられれば,勉強できると思います。
例えば,「自分は技術者として切磋琢磨していきたい。そのためには,日々勉強して,レベルアップしていく必要がある。情報処理技術者試験を順に取得していくために勉強するのは,その手段として使える。」という感じなら,静かに持続しながら学習できます。一見,きれいごとに見えるのですが,「技術者として一流になりたい」という願望は,意外と多くの技術者が持っているのではないかと思います。(私ももちろん,教育者として,あと技術者としても成長し続けて行きたいと考えています。)
ということで,自分が「目標(ビジョン)」と「価値感」のどちらにより惹かれるか,感じてみましょう。

思考筋を鍛える

わく☆すた,美月です。
経営コンサルタントをやっている知人が本を出した,というので読んでみました。
一応実務書ですが,「実話に基づく組織変革ストーリー」ということで,楽しく読めました。ミーティングで人間が変わっていく瞬間が,とっても面白く,会社で起こることって実はドラマみたいなんだなぁ,としみじみ感じました。「ザ・チェンジ! ~人と職場がガラリと変わる12週間プログラム~」,出だしはちょっと低調ですが,入り込むと一気に小説のように読めますので,よかったら手にとってみてください。
今日は,その本の中にもあった,「思考筋を鍛える」という話です。
本の中に出てきた,「わかさフーズ(仮名)」という食品会社では,会社中に「考えない症候群」が蔓延していました。それだと,「新製品を開発しよう!」と社長が呼びかけても,うまくいくはずがありません。ということで,まず,自分の頭で考えられるようにするため,つまり思考筋(思考力)を鍛えるためのトレーニングを開始します。
思考筋を鍛える,はじめの一歩のトレーニングで紹介されているのが,下の2つです。
 「話を聞く」
 「ノートに書く(メモを取る)」
。。。当たり前のようですが,言われてみると,結構できてない人は多いです。
他人の話を聞きながら,同時にメモ(ノート)を取るというのは,脳を活発に動かす必要があります。『話し手の言葉を頼りに意図を汲み取り,要点をまとめ,最適な言葉を選び出し,手を微妙に動かして文字を書く』。この一連の動作は,結構複雑ですし,思考力を鍛える作業になります。人の話を聞いてメモ取る習慣を続けて行くと,集中力も高まるし頭もよくなります。
実際,試験対策の研修などでも,ホワイトボードに書いたこと以外にもノートを取っている人は,受かりやすいです。受かる人のノートを見ていると,板書したことの他に,途中の話や,自分の感想などを書き込んでいることが多いです。逆に,研修で「ホワイトボードに書いたことも書き写さない」人は,意外と多いのですが,こういう人はめったに受かりません。
写すことでも何でも,書くこと自体が,脳を活性化させているんだと感じています。ですので,私は,講義では,極力パワーポイントは使いません。基本的に,ホワイトボードに手書きで書いて,それをノートにとってもらう体制を取っています。あと逆に,私が講義やセミナーなどを受ける時には,資料の脇に,聞いた内容をできる限りいっぱい,メモしています。
そのほか,紹介されている方法としては,以下のようなものがあります。
 「毎日1つ,新聞の社説や雑誌の記事を写す」
 「複雑な話はビジュアル表現をして説明する」
 「MECEやロジックツリーなどで,考えを整理する」
社説などの記事を写す,というのは,高校の小論文の学習などでもよく言われる,王道の勉強方法です。
漢字が苦手だったり,ボキャブラリーが貧困だったりする人には,基礎力を上げるにはおすすめの方法です。論文試験の勉強法としては「合格論文を写してみる」というのがありますが,毎日継続してやるなら,とても効果的だと思います。
あと,「図にして表現する」ことは,頭が整理され,思考が活性化されます。
図にする過程でいろいろ頭を使って考えますし,ビジュアルに表現すると頭に入ってきやすくなります。「論理的思考」「問題解決技法」「クリティカルシンキング」など,様々な言い方で,このあたりの技法は紹介されていますので,一度きちんとやり方を学ぶ,というのはおすすめです。
私は,このあたりの手法は,グロービス・マネジメント・スクールの「クリティカルシンキング」講座で学びましたが,とても面白かったですし,教わった技術は実践的で結構使えます。
「考える」という行為は,元々の頭の良し悪しに左右されるように思われがちですが,実はやり方があります。
思考力は,この本のように「思考筋」と呼んだ方がふさわしい,日々の訓練や習慣の賜物です。毎日メモを取り,本を読んで文章を書いて,図に書いて整理する。。。という習慣をつけると,日々頭は良くなっていきます。
「うまくいくやり方」というのが体系化されているので,それを知って,日々実践すればいいだけです。
まずは,メモをとるため,紙とメモ帳を携帯するところから始めるのがおすすめです。

思考筋を鍛える

わく☆すた,美月です。
経営コンサルタントをやっている知人が本を出した,というので読んでみました。
一応実務書ですが,「実話に基づく組織変革ストーリー」ということで,楽しく読めました。ミーティングで人間が変わっていく瞬間が,とっても面白く,会社で起こることって実はドラマみたいなんだなぁ,としみじみ感じました。「ザ・チェンジ! ~人と職場がガラリと変わる12週間プログラム~」,出だしはちょっと低調ですが,入り込むと一気に小説のように読めますので,よかったら手にとってみてください。
今日は,その本の中にもあった,「思考筋を鍛える」という話です。
本の中に出てきた,「わかさフーズ(仮名)」という食品会社では,会社中に「考えない症候群」が蔓延していました。それだと,「新製品を開発しよう!」と社長が呼びかけても,うまくいくはずがありません。ということで,まず,自分の頭で考えられるようにするため,つまり思考筋(思考力)を鍛えるためのトレーニングを開始します。
思考筋を鍛える,はじめの一歩のトレーニングで紹介されているのが,下の2つです。
 「話を聞く」
 「ノートに書く(メモを取る)」
。。。当たり前のようですが,言われてみると,結構できてない人は多いです。
他人の話を聞きながら,同時にメモ(ノート)を取るというのは,脳を活発に動かす必要があります。『話し手の言葉を頼りに意図を汲み取り,要点をまとめ,最適な言葉を選び出し,手を微妙に動かして文字を書く』。この一連の動作は,結構複雑ですし,思考力を鍛える作業になります。人の話を聞いてメモ取る習慣を続けて行くと,集中力も高まるし頭もよくなります。
実際,試験対策の研修などでも,ホワイトボードに書いたこと以外にもノートを取っている人は,受かりやすいです。受かる人のノートを見ていると,板書したことの他に,途中の話や,自分の感想などを書き込んでいることが多いです。逆に,研修で「ホワイトボードに書いたことも書き写さない」人は,意外と多いのですが,こういう人はめったに受かりません。
写すことでも何でも,書くこと自体が,脳を活性化させているんだと感じています。ですので,私は,講義では,極力パワーポイントは使いません。基本的に,ホワイトボードに手書きで書いて,それをノートにとってもらう体制を取っています。あと逆に,私が講義やセミナーなどを受ける時には,資料の脇に,聞いた内容をできる限りいっぱい,メモしています。
そのほか,紹介されている方法としては,以下のようなものがあります。
 「毎日1つ,新聞の社説や雑誌の記事を写す」
 「複雑な話はビジュアル表現をして説明する」
 「MECEやロジックツリーなどで,考えを整理する」
社説などの記事を写す,というのは,高校の小論文の学習などでもよく言われる,王道の勉強方法です。
漢字が苦手だったり,ボキャブラリーが貧困だったりする人には,基礎力を上げるにはおすすめの方法です。論文試験の勉強法としては「合格論文を写してみる」というのがありますが,毎日継続してやるなら,とても効果的だと思います。
あと,「図にして表現する」ことは,頭が整理され,思考が活性化されます。
図にする過程でいろいろ頭を使って考えますし,ビジュアルに表現すると頭に入ってきやすくなります。「論理的思考」「問題解決技法」「クリティカルシンキング」など,様々な言い方で,このあたりの技法は紹介されていますので,一度きちんとやり方を学ぶ,というのはおすすめです。
私は,このあたりの手法は,グロービス・マネジメント・スクールの「クリティカルシンキング」講座で学びましたが,とても面白かったですし,教わった技術は実践的で結構使えます。
「考える」という行為は,元々の頭の良し悪しに左右されるように思われがちですが,実はやり方があります。
思考力は,この本のように「思考筋」と呼んだ方がふさわしい,日々の訓練や習慣の賜物です。毎日メモを取り,本を読んで文章を書いて,図に書いて整理する。。。という習慣をつけると,日々頭は良くなっていきます。
「うまくいくやり方」というのが体系化されているので,それを知って,日々実践すればいいだけです。
まずは,メモをとるため,紙とメモ帳を携帯するところから始めるのがおすすめです。

ネットワークの基本(2):プロトコル

わく☆すた,美月です。
今日は,情報通信の世界でよく使われる言葉,「プロトコル」についてのお話です。
ネットワークやインターネットを理解するには,この「プロトコル」の理解が欠かせません。
プロトコル,という言葉は,Wikipediaによると,次のようになっています。

プロトコル(protocol、プロトコールとも)とは、複数の者が対象となる事項を確実に実行するための手順等について定めたもの。日本語では、場合に応じて規定、議定書、儀典などと訳される。

なんとなく難しそうですが,元々は,貿易用語の「プロトコル」。2つの国の間での約束事を,きちんと文書にして取り交わす「議定書」が語源です。分子生物学でも,実験の手順とか試薬の分量,条件などを細かく決めたものをプロトコルと呼びます。
インターネットやネットワークでの「プロトコル」は,コンピュータとコンピュータがネットワークを利用して通信する時に使われる「約束事」です。始めに,「Hello」ってパケットを送って,それには,「+OK」と返事をする,など,通信のやり方が細かく決められています。人間同士の間でも,コミュニケーションをとるためには約束事(プロトコル)を決めておく必要がありますが,コンピュータは融通がきかないので,さらに厳密にきっちり決めておく必要があります。
プロトコルは,人間の「会話」によく例えられます。
例えば,日本人の野田さんと,ロシア人のターニャさんが,話をすることを考えます。野田さんは,日本語が母国語,ターニャさんはロシア語が母国語なので,そのままでは話をすることができません。意思疎通をしたいので,野田さんとターニャさんは,それぞれフランス語を勉強します。そうすると2人は,フランス語で会話ができるようになります。
この時の「日本語」「ロシア語」「フランス語」がプロトコルです。2人が違うプロトコルしか知らないと会話はできませんが,共通のプロトコル「フランス語」を身につけることによって,会話ができるようになります。
コンピュータとコンピュータが,ネットワーク上で通信をする場合も,ほとんど同じです。IBMのコンピュータがIBM専用のプロトコルを使っていて,富士通のコンピュータが富士通専用のプロトコルを使っていたら,お互いに通信はできません。そこで,TCP/IPなどの共通のプロトコルを使うと,お互いに通信することができるのです。
もう1つ,プロトコルで大事なのは,「プロトコルの階層化」です。プロトコルの階層化は,ソフトウェア開発の時のモジュール化に似ていて,独立した機能を複数のプロトコルに分離します。
例えば,先ほどの会話を,「携帯電話」で行う場合を考えてみます。
野田さんとターニャさんが携帯電話で会話をするときのプロトコルを図にしてみると,下のような感じです。

20090604cocolog_oekaki_2009_06_04_11_17
野田さんとターニャさんは,携帯電話を通じて話をします。ですので,原始人の目から見ると,野田さんはターニャさんではなく,携帯電話に話しかけているように見えます。でも,この携帯電話に話しかけるのはインタフェースで,話しかけられた野田さんの携帯電話が,携帯電話のプロトコル(CS-ACELPなど)を利用して,ターニャさんの携帯電話に音声を送ります。携帯電話が音を出すことで,ターニャさんは内容を理解することができます。このときには,携帯電話で話すということに2つのプロトコル「フランス語」「携帯電話のプロトコル」が関係し,階層になっています。これがプロトコルの「階層化」です。
階層化すると,いろんなメリットがあります。2つのプロトコルはそれぞれ,独立して取り替え可能です。会話のプロトコルを「フランス語」から「英語」に変更してもいいですし,携帯電話をSkypeに変えてもOKです。片方を変更しても,もう片方には影響を受けません。プロトコルを階層化することで,変更に強いネットワークシステムができます。OSI7階層は,通信に必要な機能を,7つの階層に分けたものですので,各層は,大体独立して取り替え可能です。
ネットワークを理解するには,「何のプロトコルを使っているか」「どこの階層のプロトコルを使っているのか」というのは,とても大切です。ぜひ,プロトコルを意識しながら,ネットワークの勉強をしてみてください。

ラビリンスを歩く

わく☆すた,美月です。

私の趣味は,「ウォーキング」です。ホントは「マラソン」とか「ジョギング」とか書きたいところですが,マラソン大会に出ても半分以上は歩いてますし,ウォーキングだけは得意ですので,やっぱりウォーキングです。

きっかけは,4年ぐらい前に読んだ,「愛されてお金持ちになる魔法のカラダ」という本でした。1日2時間歩くと,脳が活性化されてプラス思考になり,何もかもうまくいく。。。という感じの本で,影響されやすい私は,さっそく歩き始めました。^^;
その結果,お金持ちになったかどうかはともかく,体は鍛えられて少しはプラス思考になったと思います。今でも,1日1時間ぐらいは歩くようにしてます。

ということで,今日は「学習法」としてのウォーキングの紹介です。

情報処理技術者試験の難易度

※この記事は,2009年6月に書かれたものです。
最新のバージョンとしては,「情報処理技術者試験の難易度 2012年度版」で改めて書いていますので,こちらをご覧ください。

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わく☆すた,美月です。
最近,「情報処理技術者試験初めてなんですけど,いきなりネットワーク受けても大丈夫ですか?」「基本情報技術者試験飛ばして,応用情報技術者試験受けても大丈夫ですか?」「システムアーキテクトとネットワークスペシャリスト,どっちを受けようか迷ってます」など,どの試験区分を受けようか,という質問をよく受けます。

ですので,今日は,情報処理技術者試験の全区分の難易度を並べてみたいと思います。といっても,これはあくまで私の独断で,確実なものではないことを,先にお断りしておきます。
まず,社会的な認知度や,取った後の評価としては,企業の報奨金なども加味して考えると,以下のような感じだと思います。評価の高い順に並べてみます。

<最難関 すごく評価される>
 ITストラテジスト(旧システムアナリスト),プロジェクトマネージャ,システム監査

<論文系の資格なので,それなりに評価される>
 システムアーキテクト(旧アプリケーションエンジニア)
 ITサービスマネージャ(旧テクニカルエンジニア(システム管理))

<スペシャリスト系で,取ると「すごい」と言われる>
 情報セキュリティスペシャリスト(旧テクニカルエンジニア(情報セキュリティ))
 ネットワークスペシャリスト(旧テクニカルエンジニア(ネットワーク))
 データベーススペシャリスト(旧テクニカルエンジニア(データベース))
 エンベデッドシステムスペシャリスト(旧テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム))

<これを取ると技術者として一人前という感じ>
 応用情報技術者(旧ソフトウェア開発技術者)

<技術者としては最低限の資格>
 基本情報技術者

<技術者にはあっても意味ない。一般向け>
 ITパスポート

こんな感じです。

ITストラテジストとシステム監査は,会社での報奨金などが最高額になっているところが多いです。プロジェクトマネージャも,社員にとらせたい資格第1位なので,同等の評価のところが多いです。
システムアーキテクト,ITサービスマネージャは,論文系としては初歩資格だと思います。上3つと比べると若干評価が落ちます。ただ,「論文が書ける」というところに,ちょっとハードルがありますので,取ると評価されます。

論文の書きやすさ,難易度を考えると,上の3つよりは楽な試験ですし,最初の論文系としておすすめです。必要な勉強量は,スペシャリスト系よりはるかに少ないです。「論文が書けるかどうか」が合否を分けるので,論文の勉強はちゃんとする必要があります。
スペシャリスト系4つは,会社などでの評価自体はほぼ同等です。難易度には若干差があるような気はしますが,どれを難しく感じるかは人それぞれです。毛色の違う2つ(ネットワークとデータベースなど)を持っていると,幅広い知識を示すことができます。取りやすさという意味での難易度は,情報セキュリティは他3つより高いと私は感じています。

技術系を極めたい人は,このうちの3つ(ネットワーク,データベース,情報セキュリティ)を揃えるというのが,一番アピールしやすいと思います。1つ取れば,2つ目がすごく取りやすくなるのが,このスペシャリスト系資格です。

応用情報技術者は,上の高度試験に行く前に取っておいたほうがいい資格です。旧試験のソフトウェア開発技術者試験のときには結構難易度が高く,開発について知らないと解けなかったので,避けた方がいい場合もありましたが,今は違います。午後問題では,自分の行きたい方向性の問題が選べますし,ここで基礎知識をつけておいた方が,次に高度試験を受けるときに楽になります。特に午前は,ここでちゃんと勉強して受かっておくと,高度試験でも困らないと思います。

基本情報技術者は,IT系の技術者として生きていくのなら,必須だとは思います。これが取れない人は他の部門に配置転換,という企業も聞きますし,昇進の最低条件(これがないと新人の給料から上がらない)とうところもあります。プログラミングが得意な人は,いきなり応用情報技術者,というのもありだと思いますが,結構ハードルが高いので,順に基本情報技術者試験から受けていくのがおすすめです。

今までの試験をベースに難易度を見てみましたが,平成21年度からの制度改定で,ITストラテジスト,プロジェクトマネージャの2つは,ITスキル標準の想定レベルが,レベル5->レベル4に下がっています。他の高度資格は元々レベル4ですので,若干難易度は下がるかもしれません。春試験の問題を見る限り,それほど変わった気はしないのですが,このあたりの評価は,プロジェクトマネージャの合格率待ちです。
最後に,就職や転職,出世に使えるということで情報処理技術者試験を考えてみます。

学生のうちに基本情報技術者を取っていれば,就職はしやすいと思います。20代で応用情報技術者,30代前半ぐらいまででスペシャリスト系のうち1つ,それ以上だと論文系を取っていると,転職に有利にはなります。ただ,30代後半以降は,ある程度,実務経験と結びついていることが必要です。

出世という意味では,「これがあれば出世できる!」というプラスの使い方をされることは少ないのですが,「とらないと昇進できない」などの最低限の条件にすることが,大きな企業では多いです。そのため,技術者になるなら取っておいたほうが無難な資格です。

いずれにしても,自分の現在地,将来進みたい方向を考えて,受ける試験を考えてみてください。

アヒルに教える

わく☆すた,美月です。
最近,面白い本を見つけて,はまって読んでました。「リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法」という本で,いろんな学習法や思考法が紹介されています。ウェットウェア(wetware)とは,「人間の思考方法」のことで,コンピュータシステムとの対比に用いられます。有名な,「達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道」の著者の一人が書いた,プログラマ以外にも使える,達人の考え方に触れられる本です。この本は,誰でも読めるとは思いますが,プログラマやIT技術者には特に,例えが身近なので,面白く読めると思います。
この本の中で,紹介したい話はいろいろあるのですが,自分の経験と合わせて,今日は,「教えることによって学ぶ」という話をしたいと思います。
人が学ぶ時,ただ本を読んで,インプットしただけでは,なかなか学ぶことができません。学んだことを定着させて,速く上手に学ぶためには,学習技術を知っておくと使えます。学習技術には,「効果的な読書法」「マインドマップ」など,いろいろありますが,私が一番効果が大きいと感じているのは,「実際に教えてみる」ことです。
「人に教える」という行為をするためには,まず,自分の中で頭を整理して,理解する必要があります。その時,「ちゃんと教えなければ」と必死になるので,脳は活性化して,自分で学ぶ時以上に,頭の回転が速くなります。その状態で学んだことは,ちょっとやそっとじゃ忘れません。
試験対策の講師をやった友人達は,「受かる前の勉強の時には不安だったけど,教えた後の今なら,試験に落ちる気はまったくしない」と口を揃えて言ってます。私も同感です。ですので,教える機会があるのでしたら,ぜひ,その機会は逃さないで生かしましょう。
。。。といっても,そんなにタイミング良く,教える機会はないですし,「自分が今学ぼうとしていること」は,人に教えるレベルに達していないことも多いと思います。そこで,先ほどのリファクタリング・ウェットウェアで紹介されていた,必殺技(?)をお教えします。
それは,
       アヒルに話しかける
       20090601cocolog_oekaki_2009_06_01_15_38

ことです。
この時のアヒルは,上の絵のような本物ではなく,お風呂に浮かぶアヒルの人形です。
別にアヒルでなくてもかまいません。うちには,チョビ(犬),はりねずみ,キツネ,ダイワスカーレット(馬)など,たくさんの聴衆(ぬいぐるみ)がいます。^^;
他の人に見られると,とっても恥ずかしい光景だとは思いますが,これは意外と,効果が大きいです。
恥ずかしい人は,「イメージトレーニング」でもいいと思います。
これは,私は講義に行く時の通勤電車でよくやっているのですが,話す内容をシミュレーションして,実際に話しているところを,想像してみます。そのとき,受講生の反応や質問などもイメージすると,よりリアリティが出ます。可能な限りシミュレーションしてから実際の講義に行くと落ち着きますし,実際には講義を行わない事柄でも,イメージトレーニングをすることで,しっかりと頭に残ります。
その他,同じような勉強をしている仲間がいるなら,「お互いに教え合う」というのもいいと思います。
2,3人の勉強会を勝手に開いて,自分が講師をする,というのも楽しいです。聞きたくない人に押しつけることにならないよう,ちゃんと内容をしっかり用意して,相手の需要と合わせる必要はありますが。見たい人にみてもらいたかったら,YouTubeにアップロードするという手もあります。
教えていると,わかっているつもりになっていた,「自分がわかっていなかった点」について明確になります。
いろんな気づきがあり,それが学ぶ力を向上させるのです。これは,「自分の中の気づき」が大きいので,実は相手がいつ必要もなく,独り言でも十分効果があります。もちろん,相手との協調学習という面もあるので,人に教えるのはそれ以上の効果はありますが,人がからむと,うまく教えられないプレッシャーやもめごとなどのデメリットもあるので,最初のうちは,人形に教えていた方が,精神的にも楽だと思います。
一度,近くにある人間以外のもの(動物,人形など)に,試しに教えてみてください。

基本情報技術者試験のプログラミング言語

わく☆すた,美月です。

昨日,誰かがプログラミング言語Javaの話をしていて,「うわー,そんなに大変なら基本情報はJavaで受けたくない!」という声を聞いたので,情報処理技術者試験でのプログラミング言語のお話しをしたいと思います。
情報処理技術者試験で,プログラミング言語の問題が必須なのは基本情報技術者試験だけで,C,COBOL,Java,アセンブラ,表計算の5言語のうちから,1つ選択です。

といっても,応用情報技術者試験では言語がいらないか,というとそんなことはなく,何か一つの言語(C,C++,Javaあたりがベター)をマスターしていることが求められます。アルゴリズム問題では,単にアルゴリズムを知っているというだけでなく,プログラミング経験がないとわからないテクニックを結構聞かれます。文字列型を数値に変換する方法,配列の添字の付け方,ポインタの扱いなどは,プログラミングをやってないとわかりづらいところです。

情報セキュリティスペシャリスト試験も,セキュアプログラミングは,C++,Java,Perl(注:平成21年当時)のうちで出題されますので,プログラミング言語をちゃんと知っておいた方がベターです。(避けて通ることは可能ですが)

今回(平成21年春)の試験で,基本情報技術者試験のプログラミング言語の選択に,「表計算」が追加されました。
先ほど,直近の基本情報技術者試験の午後問題を解いてみましたが,この「表計算」の追加が,基本情報技術者試験の合格率アップの要因の一つだな,と感じました。解いていて頭を使うので,決して簡単というほどではないのですが,プログラミング言語を学習する労力を考えると,格段に楽だと思われます。

必要な勉強量と難易度をふまえて,基本情報技術者試験に受かりやすい言語,ということを考えると,

  表計算 >> アセンブラ > COBOL >> C > Java

の順番だと,私は考えてます。

ただ受かるだけなら,前回の問題を見る限り,表計算が一番楽だと思います。Excelの本で表計算のやり方を勉強して,初級シスアドの過去問で問題演習をするぐらいで,合格レベルに到達すると思います。問題文がややこしいので,ある程度の読解力と論理的思考力は必要ですが,それをクリアしていれば,表計算自体の勉強というのはあまりありません。絶対参照と相対参照という考え方がわかっていればいい,くらいだと思います。

ただ,表計算で受かっても,技術者としては通用しないとは感じます。
基本情報技術者試験に限っては,就職の面接などではよく,「あ,基本情報持ってるんですね。言語は何をとりました?」と聞かれます。ここで,「Cです」「Javaです」というのと,「表計算です」というのは,かなり印象が違います。プログラミング能力が要求される応用情報技術者試験につながりにくい,という面でも,受かった後のレベルアップが難しくなります。なので,コンピュータ系の技術者になりたい人には,他の4言語の方がおすすめです。
他の4言語では,マスターするまでの時間が一番短いのは,アセンブラです。

これは,仮想機械COMET II用のアセンブラCASL IIで,実用的ではないですが,コンピュータの仕組みを知るには,最適な言語です。アドレスやポインタの考え方も理解しやすくなりますし,後につながるという意味では,とてもおすすめな言語です。CASL IIは,マスターするのに大体1ヶ月ぐらいで,他の言語に比べると短いので,会社の新人研修での試験対策講座ではよくCASL IIが選択されます。

手間はかかるけど,誰でも確実にマスターでき,資質に関係なく合格しやすいのがCOBOLです。
もともと,事務用に開発され,誰が書いても同じようなプログラムになるような言語ですので,ステップを踏んで順に覚えていけば,確実に組めるようにはなります。教えやすいので,専門学校で選択されることが多い言語です。
覚える文法は多いので,ひととおり学習するのに3ヶ月ぐらいはかかりますが,覚えてしまえば,確実な得点源となります。

ただ,COBOLは,古い言語で考え方が古く,マスターしても次につながっていかないのが難点です。実際の講義での,私の体感として,応用情報技術者試験のアルゴリズムで苦戦する人には,基本情報技術者試験でCOBOLを選択した人が多いように感じています。COBOLの考え方と,C,C++,Javaなどの最近多い言語との間には,隔たりが大きいので,他の言語になじみづらい,というところがあります。技術者として上を目指す人は,最初の言語にCOBOLを選択しない方がいいと思います。

Cは,とっつきづらいですし,ひととおりマスターするのに時間はかかりますが,いろいろ役立つ言語です。
基本情報技術者試験のC言語の問題は,Cの文法というよりアルゴリズムを聞いてくることが多いので,アルゴリズムも同時に学習できます。応用情報技術者試験に,一番直結している言語だと思います。ひととおりマスターするのには,3ヶ月から半年ぐらいはかかると思いますが,応用は効きます。個人的には,Cを学習した後にJavaをやると,言語をより深く知ることができていいと感じています。

Javaは,マスターするのに一番時間がかかる言語ですが,就職や転職には一番使えます。
基本情報技術者試験試験のJava問題は,基本的に,オブジェクト指向をベースにして,ポリモルフィズムや継承などの概念を聞いてきます。ですので,オブジェクト指向の理解が不可欠です。それだけではなく,文法的にも覚えることは多いので,実務で使えるようになるには,普通にやってたら半年以上かかります。

「基本情報技術者試験に受かる」という目的だけなら,一番回り道になる言語です。実際,Javaを選んだ人の合格率は低いですし,難易度も高いと思います。ただ,将来性を考えるなら,今頑張ってマスターしておく,というのはおすすめです。

ということで,言語の選択,どれがベストかは個人差が大きいです。
長所,短所を踏まえて,自分の目的に合った言語を,ぜひ選んでみてください。

プログラミングの本質を学ぶ ~おすすめ本 Java編~

わく☆すた,美月です。
マスタリングTCP/IPの話にトラックバックをいただいた,もぼなもな書房さんのコンピュータ書籍の批評を見ていたら,結構面白かったので,はまっていろいろ読んでました。Javaの本の書評とか,「そうそう!」と激しく同意したりしてます。^^;

ということで,そういえば,プログラミング言語の話をしばらくほったらかしにしてたなー,と思い出したので,今日はプログラミングのおすすめ本のお話し,Java編です。

個人的には,Javaは,マスターするのにとてもやることがいっぱいある言語だと感じてます。PHPはPerlなら,本1冊読んで大体書き方を学べば,ひととおり使えるようにはなります。でも,Javaは,ひととおり使えるようになるまでに,3冊ぐらいは最低必要だなぁ,と感じてます。

基本情報技術者試験でJavaを選択する場合には,Javaの文法だけでなく,「オブジェクト指向の理解」が必須です。継承やポリモルフィズムを多用したプログラムが出てくるので,自分でクラス図がイメージできることが肝心です。もちろん,実務でも,Javaのベースにあるオブジェクト指向を理解するのは不可欠です。

あと,GoFなどのデザインパターンやStrutsなどのフレームワークも理解して。。。なども考えると,やることは際限なく増えていくような気がします。ただ,作りたいプログラムを自分で作れる,っていう最低限のレベルになるまでの道のりが長いのがJavaだなぁ,と感じてます。「やさしいJava」や「Javaの絵本」などは,とっつきやすいですがプログラムを組めるようにはならないです。(最初の文法を知るためだけには,使えるとは思いますが。。。)

ということで,「Javaでプログラムが組めるようになる」ことを目標にした,おすすめ本です。

個人的には,Javaの本で一番のお気に入りは,Head First Java 第2版―頭とからだで覚えるJavaの基本です。ただ,この本は日本語版では誤植が多く,賛否両論あるので,合いそうだと思ったら使ってみてください。「プログラミングを楽しく,本当に身につくように」学ぶには,最適な書だと思いますが,事例にふざけたもの(「離婚の危機!」とか「JVMとコンパイラの座談会」)が多いですし,型にはまって学びたい人には,向かないかもしれません。

きっちり文法からカバーした上でJavaを学びたい人には,試験対策書ですが,Sun SJC-P認定ガイド 310-055対応が一番使えると思います。SunのJava認定の本で,私がSJC-Pを取るときに使った本ですが,試験対策書で感動したのは,この本が初めてです。決して,易しい本ではないですが,「この機能ってこういうためにあったんだー!」と,Javaの深い理解が得られる本です。

そして,私が一番驚いたのは,上記の2つの本(Head First JavaとSJC-P認定ガイド)が同じ作者(Kathy Sierra と Bert Bates)であること。この2人の書は,レベルが高い上に,本当の学びとは何か,ということを深く考えて作ってあるので,すごくおすすめです。

その他のおすすめとしては,Javaで陥りやすいポイントをマスターする本です。Java謎+落とし穴徹底解明 (標準プログラマーズライブラリ)は,Javaでのポインタの使い方など,実際の動きを理解できます。「Javaではポインタはいらない」など,なんとなく思っていた常識が,覆される本です。あと,Javaの格言―より良いオブジェクト設計のためのパターンと定石も,実際にJavaプログラムを書くにあたっての定石が詰まった,とっても深い本です。このあたりは,ホントの初心者向けではないので,Javaの勉強はしたけど,なんとなくよくわからない。。。と,不全感を感じている人に,強くおすすめします。

ひととおりJavaで書けるようになったら,Effective Java 第2版 (The Java Series)増補改訂版Java言語で学ぶデザインパターン入門などで,さらにレベルアップしていきましょう。Javaに関しては,ひととおり学んだ後に,中級,上級の知識はいろいろあります。

Javaは,知れば知るほど,面白くなる言語だと思います。ぜひ,楽しんで,少しずつ学んでいってみてください。

本の紹介:「プログラマのための論理パズル」

わく☆すた,美月です。
今日は,プログラマやそれを目指す人たち,論理的思考力を鍛えたい人たち向けに,面白い書籍の紹介です。ホントは,全部解いてから紹介しようと思っていたのですが,それだと,あと半年ぐらいはかかりそうなので,途中ですが紹介しちゃいます。^^;


   「プログラマのための論理パズル


私の講義では,よく,パズルの問題を出します。
これは,頭のウォーミングアップになるのと,パズルを解く過程は,アルゴリズム問題を解く過程と,かなり似通ってると感じているからです。アルゴリズムを考えるときは,パズルを考える時のように,いろんなパターンを当てはめて試行錯誤しますし,状況を整理して,現実的な解を出すのは,実際のソフトウェア開発の現場とも似ています。
実際,応用情報技術者試験(ソフトウェア開発技術者試験)では,パズルのアルゴリズム自体が出題されることがあります。数独や小町算,数当てゲームなど,パズルとして楽しめる午後問題がいっぱい出てきます。


この本は,プログラマのためのパズルの本です。
結構,歯ごたえのある,難問ぞろいの問題です。でも,いきなり難しい問題が出てくるのではなく,まずウォームアップ問題でやり方を説明してあって,そこから徐々に難しくなるので,無理なく考えることはできます。これを解いてると,電車に1時間乗っていても,あっという間に感じます。問題を細かく分解して順に考えていく必要があり,解くのに時間はかかるので,楽しみながらもあきらめない根気が必要です。


この本が他のパズル本と違うのは,単にアルゴリズムを当てはめれば完全に解ける,という問題だけではなく,正解が確定できない中での現実的な解法を見つけるパズルが載っていることです。こういった問題を,NP困難な問題といいますが,この本の第II部には,現実的な解を求める解法テクニックがいろいろ紹介されています。


現実のプログラミングでは,NP困難な問題はいっぱい出てきます。例えば,航空座席の配置やCPUレジスタの配置の決定などは,NP困難問題です。ですので,こういった問題を解くための解法テクニックを知ると,現実にいろいろ役立てることができます。


プログラマに必要な,論理的思考力を鍛えるためには,とってもいい本だと思います。それに,すぐ読み終わってしまう本と違って,半年ぐらいは十分楽しめますし,お得です。^^;
応用情報技術者試験レベルははるかに超えるますし,試験対策本ではないです。でも,頭を鍛えるのには最適ですし,これが解けるようになれば,応用情報技術者のアルゴリズムは簡単に感じると思います。
ということで,本屋で見かけたら,手にとって1問,試しに解いてみてください。^^

【告知】ネットワークスペシャリスト向け過去問DVDの発売を開始しました

株式会社わくわくスタディワールドでは,情報処理技術者試験の過去問解説DVDを販売しております。

このたび,ネットワークスペシャリスト試験(NW)向けの過去問解説DVDが完成し,発売を開始いたしましたのでお知らせいたします。(実際の試験名称は,去年までの過去問なので,テクニカルエンジニア(ネットワーク)となります。)

平成18年,19年,20年の3期分を発売いたしております。
午後問題に特化した詳しい解説です。午前問題の解説はYouTubeに公開する予定です。各期ごとにDVD3枚組で約6時間,周辺知識も所々散りばめながら,たっぷり解説しています。

また今回から,オプションで,「解答添削サービス」を始めました。詳しい添削で,合格のために必要な解答の書き方などを指導いたします。午後問題の記述式に不安のある方には,お役に立てると思います。

詳しい内容は,『テクニカルエンジニア(ネットワーク)』解答解説DVDのページをご覧ください。

なお,情報セキュリティスペシャリスト応用情報技術者の平成21年春期の過去問解説DVDは,6月下旬~7月上旬の発売予定です。平成20年までの分はすでに発売していますので,よろしければご利用ください。また,アルゴリズム分野に限っては,過去6期分(平成18年春~平成20年秋)のアルゴリズム問題のみを集めた,アルゴリズムDVDを発売いたしております。

本の紹介:「プログラマのための論理パズル」

わく☆すた,美月です。
今日は,プログラマやそれを目指す人たち,論理的思考力を鍛えたい人たち向けに,面白い書籍の紹介です。ホントは,全部解いてから紹介しようと思っていたのですが,それだと,あと半年ぐらいはかかりそうなので,途中ですが紹介しちゃいます。^^;


   「プログラマのための論理パズル


私の講義では,よく,パズルの問題を出します。
これは,頭のウォーミングアップになるのと,パズルを解く過程は,アルゴリズム問題を解く過程と,かなり似通ってると感じているからです。アルゴリズムを考えるときは,パズルを考える時のように,いろんなパターンを当てはめて試行錯誤しますし,状況を整理して,現実的な解を出すのは,実際のソフトウェア開発の現場とも似ています。
実際,応用情報技術者試験(ソフトウェア開発技術者試験)では,パズルのアルゴリズム自体が出題されることがあります。数独や小町算,数当てゲームなど,パズルとして楽しめる午後問題がいっぱい出てきます。


この本は,プログラマのためのパズルの本です。
結構,歯ごたえのある,難問ぞろいの問題です。でも,いきなり難しい問題が出てくるのではなく,まずウォームアップ問題でやり方を説明してあって,そこから徐々に難しくなるので,無理なく考えることはできます。これを解いてると,電車に1時間乗っていても,あっという間に感じます。問題を細かく分解して順に考えていく必要があり,解くのに時間はかかるので,楽しみながらもあきらめない根気が必要です。


この本が他のパズル本と違うのは,単にアルゴリズムを当てはめれば完全に解ける,という問題だけではなく,正解が確定できない中での現実的な解法を見つけるパズルが載っていることです。こういった問題を,NP困難な問題といいますが,この本の第II部には,現実的な解を求める解法テクニックがいろいろ紹介されています。


現実のプログラミングでは,NP困難な問題はいっぱい出てきます。例えば,航空座席の配置やCPUレジスタの配置の決定などは,NP困難問題です。ですので,こういった問題を解くための解法テクニックを知ると,現実にいろいろ役立てることができます。


プログラマに必要な,論理的思考力を鍛えるためには,とってもいい本だと思います。それに,すぐ読み終わってしまう本と違って,半年ぐらいは十分楽しめますし,お得です。^^;
応用情報技術者試験レベルははるかに超えるますし,試験対策本ではないです。でも,頭を鍛えるのには最適ですし,これが解けるようになれば,応用情報技術者のアルゴリズムは簡単に感じると思います。
ということで,本屋で見かけたら,手にとって1問,試しに解いてみてください。^^

過去問解説DVD発売中

株式会社わくわくスタディワールドでは,情報処理技術者試験の過去問解説DVDを販売しております。
現在,発売中のものは以下のとおりです。詳しい内容は,各試験区分ごとのリンクをごらんください。

データベーススペシャリスト試験向け
 平成22年春new!,平成21年春,平成20年春,平成19年春

情報セキュリティスペシャリスト試験向け
 平成21年秋,平成21年春,平成20年春,平成19年春

 応用情報技術者試験向け
 平成22年秋(テクノロジ編,ストラテジ他編)new!
 平成22年春(テクノロジ編,ストラテジ他編)
 平成21年秋(テクノロジ編,ストラテジ他編)
 平成21年春(テクノロジ編,ストラテジ他編)
 ・以下,旧ソフトウェア開発技術者向け
  平成20年秋,平成20年春,平成19年秋,平成19年春,平成18年秋,平成18年春

ネットワークスペシャリスト試験(NW)向け
 平成21年秋,平成20年秋,平成19年秋,平成18年秋

基本情報技術者から応用情報技術者へのステップアップ

わく☆すた,美月です。
基本情報技術者試験(FE)に受かったので,次は応用情報技術者試験(AP),という方も多いんじゃないかと思います。今日は,FEレベルからのステップアップの話です。


FEとAPの違いは,ひと言でいうと,「内容の深さ・レベル」の差です。試験範囲の広さは,どちらも広いですが,ほとんど同じです。「広く浅く」から「広く,それなりに深く」となります。ITのスキルの標準であるITSSでは,FEがレベル2,APがレベル3に相当します。


FEとAPは,レベルが違うだけで同じ分野なので,FEに受かっていると,勉強は,積み重ねになります。多分,FE分野の内容をちゃんと理解していると,APの問題も半分くらいは解けると思います。APに合格するための勉強量としては,私が教えてきた感覚では,全くの初歩からFE合格というのと同じくらいです。(もちろん,これは個人差があるところなので,一概には言えませんが。。。)


具体的な内容としては,一番レベル差が大きいと感じられるのは,基礎理論,プログラミング(アルゴリズム)分野です。
APでは,プログラミング言語そのものはなくなりますが,その分,難しいアルゴリズムが出題されます。一応,疑似言語なのですが,CやC++,Javaの理解が前提となっているものも多いので,何かの言語をきちんとマスターしておく必要があります。
また,FEの午後試験だと,定番のアルゴリズム(ソートとか探索とか)が多いですが,APの午後試験では,見たことのないアルゴリズム(小町算とか巡回セールスマン問題とか)が多いです。そのため,現場で仕様を読んで,臨機応変にプログラミングする能力が求められます。
APのアルゴリズム問題は記述式ですし,プログラミング(アルゴリズム)能力には付け焼き刃は効かないので,早めに準備を進める必要があります。どうしてもアルゴリズムがイヤなら,午後試験で経営戦略問題を選ぶ,という手もあるのですが,それはそれで,経営分野の本格的な勉強が必要です。


それ以外の分野は,細かいところでいろいろ差があります。
例えば,FEでは滅多に出てこない待ち行列は,APでは定番です。IPアドレス計算は,APはよりややこしいものが出てきます。ハードウェアの話だと,FEはCPU,メモリなど単体で出てくることが多いのですが,APではCPUとメモリの関連,インタフェースなど,お互いの関係のことも多く出題されます。システム開発分野は,上流工程の内容が増えてきますし,データベースでは,ER図をきちんと書けるようになる必要があります。SQLはFEに比べると,かなり高度な内容になります。


どれくらい難しいくなるのかは,自分で実感するのが一番なので,勉強に入る前に一度,過去問を解いてみるのをおすすめします。試験センターのホームページに,直近の過去問が公開されていますので,一度解いてみると難易度はよく分かると思います。FE合格レベルなら,全然手がつけられないほど難しくはないはずです。


また,FEからAPに進むと,午後問題は「記述式」になります。この「記述」で引っかかる人が多いので,実際に問題を解いて,記述の練習をすることも大切です。特に,アルゴリズムは,選択肢がなくなると,それだけで難易度が上がります。記述問題は,字数制限があるものが多いので,要求された字数で実際に書いてみることは,問題演習の一環としておすすめです。


FE,APの連続合格は,これから4ヶ月以上ある今なら,十分可能です。むしろ,FEの学習内容を忘れていない分,有利ともいえます。実際,企業研修などで教えていると,FEに受かりたての人の方が,スイスイ合格していくことが多いです。


ぜひ,早めのスタートを切って進んでください。

基本情報技術者から応用情報技術者へのステップアップ

わく☆すた,美月です。
基本情報技術者試験(FE)に受かったので,次は応用情報技術者試験(AP),という方も多いんじゃないかと思います。今日は,FEレベルからのステップアップの話です。


FEとAPの違いは,ひと言でいうと,「内容の深さ・レベル」の差です。試験範囲の広さは,どちらも広いですが,ほとんど同じです。「広く浅く」から「広く,それなりに深く」となります。ITのスキルの標準であるITSSでは,FEがレベル2,APがレベル3に相当します。


FEとAPは,レベルが違うだけで同じ分野なので,FEに受かっていると,勉強は,積み重ねになります。多分,FE分野の内容をちゃんと理解していると,APの問題も半分くらいは解けると思います。APに合格するための勉強量としては,私が教えてきた感覚では,全くの初歩からFE合格というのと同じくらいです。(もちろん,これは個人差があるところなので,一概には言えませんが。。。)


具体的な内容としては,一番レベル差が大きいと感じられるのは,基礎理論,プログラミング(アルゴリズム)分野です。
APでは,プログラミング言語そのものはなくなりますが,その分,難しいアルゴリズムが出題されます。一応,疑似言語なのですが,CやC++,Javaの理解が前提となっているものも多いので,何かの言語をきちんとマスターしておく必要があります。
また,FEの午後試験だと,定番のアルゴリズム(ソートとか探索とか)が多いですが,APの午後試験では,見たことのないアルゴリズム(小町算とか巡回セールスマン問題とか)が多いです。そのため,現場で仕様を読んで,臨機応変にプログラミングする能力が求められます。
APのアルゴリズム問題は記述式ですし,プログラミング(アルゴリズム)能力には付け焼き刃は効かないので,早めに準備を進める必要があります。どうしてもアルゴリズムがイヤなら,午後試験で経営戦略問題を選ぶ,という手もあるのですが,それはそれで,経営分野の本格的な勉強が必要です。


それ以外の分野は,細かいところでいろいろ差があります。
例えば,FEでは滅多に出てこない待ち行列は,APでは定番です。IPアドレス計算は,APはよりややこしいものが出てきます。ハードウェアの話だと,FEはCPU,メモリなど単体で出てくることが多いのですが,APではCPUとメモリの関連,インタフェースなど,お互いの関係のことも多く出題されます。システム開発分野は,上流工程の内容が増えてきますし,データベースでは,ER図をきちんと書けるようになる必要があります。SQLはFEに比べると,かなり高度な内容になります。


どれくらい難しいくなるのかは,自分で実感するのが一番なので,勉強に入る前に一度,過去問を解いてみるのをおすすめします。試験センターのホームページに,直近の過去問が公開されていますので,一度解いてみると難易度はよく分かると思います。FE合格レベルなら,全然手がつけられないほど難しくはないはずです。


また,FEからAPに進むと,午後問題は「記述式」になります。この「記述」で引っかかる人が多いので,実際に問題を解いて,記述の練習をすることも大切です。特に,アルゴリズムは,選択肢がなくなると,それだけで難易度が上がります。記述問題は,字数制限があるものが多いので,要求された字数で実際に書いてみることは,問題演習の一環としておすすめです。


FE,APの連続合格は,これから4ヶ月以上ある今なら,十分可能です。むしろ,FEの学習内容を忘れていない分,有利ともいえます。実際,企業研修などで教えていると,FEに受かりたての人の方が,スイスイ合格していくことが多いです。


ぜひ,早めのスタートを切って進んでください。

読み書きソロバン,ITパスポート試験

わく☆すた,美月です。
昨日,IPA主催のイベント,「IPAX2009」に行ってきました。
東京ドームシティでの開催で,まわりは,ジェットコースターとかゲームセンターとか場外馬券売り場とか,遊びの施設がいっぱいあって,寄り道の誘惑に駆られました。^^;
でも,イベント会場に入ると,ほとんどスーツで,思っていたより,ずっと大勢の人で賑わっていました。


ということで,今日は,IPAの方が熱を入れて語られていた,ITパスポート試験のお話しです。
昨日,初回ITパスポート試験の合格発表がありました。
今回,私の周りでも,初回試験と言うことで結構受けた人が多かったのですが,発表をみて驚きました。
なんと,

               合格率 72.9%

です。

初級シスアドが33.4%なので,なんとその倍以上になります。ものすごく受かりやすい試験になった模様です。
しかも,高校生が数多く受けてのこの数字なので,22歳以上の平均合格率は83.5%だそうです。


試験問題を見る限り,確かに初級シスアドよりは少し易しくなっていますが,これほど多く受かるとは,思ってませんでした。この問題で6割で合格というのは,敷居が低いのかもしれません。


IPAの方がイベントで,ITパスポートは「国家資格」であることを強調されていましたし,この難易度で最初のステップが突破できるのは,裾野を広げる意味で,いいのかなと感じました。
最低限のITスキルを試す資格ですので,子育て中で再就職先を探しているお母さんとか,就職活動中の文系大学生などには使える資格だとは思います。


ちなみに,次のステップである基本情報技術者試験も,合格率27.4%と,かなり受かりやすくなっています。特に,ストラテジ系の問題が増えて,40歳以上の合格率が上がったそうです。昔は,15%ぐらいが普通だったので,大分易しくなったのではないかと感じています。


IT関連の技術者がこの資格を受ける意味としては,以下の3つぐらいだと思います。


  1. 学生~社会人1年生の最初のステップとして

  2. 自分に自信を取り戻すため

  3. 基礎に立ち返る。特に,ストラテジ系など

最初の試験として,肩慣らしで受けると,ハードルが越えやすくていいと思います。プロになるなら,いきなり基本情報技術者試験でも全然OKだと思いますが,この敷居を高く感じる人は結構いるので,最初のスモールステップとしては最適です。


次に,昔の初級シスアドの頃にもよくあったのですが,高度情報処理技術者試験に落ち続けていると,段々自信を失ってきます。何回か落ちて,「落ち癖」がつくと,合格しなくて当たり前になってしまい,負のスパイラルにはまります。そういうとき,初級の簡単な試験を受けて,「合格する」体験を積むのは意外と効果があります。「こんなん楽勝じゃん」という優越感は,たまには必要です。これは別に情報処理技術者試験じゃなくても,「簿記3級」「数検3級」「漢検3級」あたりでもかまいません。ただ,ITパスポートだと,勉強しなくてもそこそこいける分,楽だとは思います。
「自分に自信をつける」というのは試験を受けるときに,また生きていく上でもとても大切です。


あと,ITパスポート試験は,難易度は易しいですが,範囲はとても広いです。高度午前1と同じ範囲ですし,経営戦略などのストラテジ系は結構重視されます。ストラテジ系が苦手な人は,このレベルに立ち返って,ひととおり基礎を学習しておくと,上のレベルの力を身につけやすくなります。


個人的には,半年に一度の試験をITパスポートに使うのはもったいないので,CBT化して他の試験と重ならなくなったら受験してみようと考えています。(CBTは,2011年頃の予定のようです。)

ITストラテジスト試験

わく☆すた,美月です。
最近なんか,移動が多くてバタバタしていたのですが,やっと本来の仕事場で落ち着いてます。といっても,本日はこれから,IPA主催のイベント「IPAX2009」をのぞきに行ってきます。


今日の話題は,ITストラテジスト試験についてです。
この試験は,昨年までのシステムアナリスト試験で,上級システムアドミニストレータの要素も含んで,リニューアルした試験です。難易度やステータスを考えると,この試験は,情報処理技術者試験の最高峰といっていいと思います。私も,持ってる資格を何か一つだけ書く,という場面になったら,システムアナリストを書いてます。


ITストラテジストの対象者像や役割と業務などはIPAのホームページに載っています。
今までとの主な違いは,サンプル問題を見る限りは,以下の3つです。


  • 業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定又は支援に関すること,

  • 業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定に関すること

  • 組込システムの企画,開発計画の策定・推進に関すること

単に情報戦略,ということではなく,業務知識などを活用して,業界の現状を把握しながら業種ごとに事業戦略を考えるようにする,という観点が求められるようになります。また,試験制度改定により多くの試験区分に含まれていますが,組込システムに関する問題が加わっていて,午後1,午後2で各1問ぐらいは出てくると予想されます。


あと,細かい話だと,これは論文試験全般に言える話ですが,論文の字数が変更になっています。今までだと,設問ウは付け足しぐらいで良かったのですが,明確に「600字以上1,200字以内」と示されたことで,きちんとひとまとまりの文章を考える必要が出てきています。このあたりは,以前の試験区分で受けてきた人は,練習して慣れておく必要があります。


全体としては,範囲は広がっていますし,全体戦略的な視点が求められるのだとは思います。学習内容としては,午前,午後別に見ていくと,以下のとおりです。


午前1は,他の高度区分と同一ですので,幅広い範囲の学習が求められます。
午前2は,ストラテジ系のみの出題です。範囲は,システム戦略,経営戦略,企業と法務のみになります。技術力でのカバーはまったく効かなくなったので,きちんと経営関係について勉強しておく必要は出てきています。


午後1は,業界の事情を読み取って答える必要がありますので,読解力はそれなりに高度なものが要求されます。ただ,基本的に問題文の業界の状況に合わせて答えますので,事前知識としては,経営戦略の基礎的な理解があれば十分だと思います。
午後2が,この試験では合否を分けるポイントです。ただ論文を書く,というだけでなく,「ITストラテジストの立場で」「問題文の状況に合わせて」論文を書いていく,という,高い視点と臨機応変さが必要になります。


午後2の論文の難しさは,情報処理技術者試験では一番だと思います。何となく書いていると,つい開発者の立場になってしまいがちになる人が多いのですが,それでは合格できません。ですので,論文試験に合格したことのない方の受験は,おすすめしません。まず,論文の書き方をマスターしてからの方が,結果的に近道になると思います。論文試験に未合格の方は,システムアーキテクトかITサービスマネージャの受験をおすすめします。


一気には行きづらいと思いますので,一歩一歩,レベルアップしていった方が確実です。
最終的なゴールとして,取るとステータスになる,という意味では,ITストラテジストは一番おすすめの資格です。

自分に向き合う勇気を持つ

わく☆すた,けんけんです。

先日書いたブログ,「では,どうやって読解力をつけるか」のコメントで,「勉強し直すには,勇気がいる」とコメントをいただきましたので,もう少し詳しく書きたいと思います。
学ぶ上での壁を理解する」にある学習の障害の3要素のうち,「段階の飛び越し」をしないってのがありました。

これは弊社DVD教材,『合格への道標(みちしるべ)』で美月さんが語っている,「まず自分を知る」と言うのともリンクしています。

どういうことかと言うと,

  ・現在位置を知る
  ・ゴールを知る

ことが,合格への方向付けをすることになるからです。

けれども,現在位置を知ることで,もし自分の読解力が高校生レベルだったら・・・ 人によっては,自分の位置を見て,認めるのが苦しいと感じるかたもいらっしゃるかもしれません。
大学を卒業された方でも,年月が経てば,自分の専門分野以外は忘れているものです。ですので,読解力が高校レベルにあるだけで,その人の人格も全て,高校生と同じなわけではありません。

この点を注意していただいて,あくまで,“客観的に”自分の位置を見る必要があるのです。
そのためには,若干の“勇気”が必要なることもあります。
自分の立ち位置を知り,自分を知ることができたら,あとは自分が進みたい到達点(ゴール)に舵取りし,前に進むだけです。

ここでも注意することが,一気に三段跳びで進むのではなく,自分が歩んでゆける程の段階を細分化して,一段一段確実に上がってゆくことです。
人によっては,読解力が高校レベルじゃなくてて,中学レベルのかたもいらっしゃるかもしれません。その人は,他の人よりスタート位置が異なるだけで,上がって行ったら他の人と同じになります。
そして,このブログを読んでいる人のゴールは,「情報処理技術者試験の合格」がほとんどだと思うので,合格したら,みんな同じです。

まとめると,こんな感じです。

  ・現在位置を知る
  ・ゴールを知る
  ・段階を飛び越さずに,自分が歩める段階に細分化して,一歩づつ上がる

「あきらめないで,前に進む。」ことが,とても大切です。

私が試して、効果のあった勉強法

わく☆すた、美月です。
今は、実家のある広島から東京に帰る、最終の新幹線の中です。
N700系新幹線は、電源もついて、昔に比べると大分、パソコンを使うのが便利になりました。
※でも移動中のため、今日は本の紹介にリンクはありませんし、書名も微妙に誤りがあるかもしれません。
実家に帰って、自分の部屋に行くと、高校時代に使った参考書や問題集がいっぱいありました。その頃から、いろんな勉強法を試していたなぁ、と、いろいろ思い返してました。その頃身に付けた勉強法で、今役立っているものって、実はいっぱいあるなぁ、と改めて感じました。今日は、高校生の頃やってみて、今、情報処理技術者試験にも役立ちそうな勉強法をいくつか紹介したいと思います。
まず、その1は「問題の解法を暗記する」ことです。
これは、高校3年生のときに出会った、和田秀樹さんの「受験は要領」で紹介された、「数学は暗記だ!」という言葉に触発されて始めた方法です。数学などは、自分の頭で解くのが正攻法だとは思います。でも、中には、どうしても解けない問題も出てきます。私は、とりあえず学校の数学は大丈夫でしたが、通信教育でやっていたZ会の数学の問題は歯が立ちませんでした。そのとき、えんえんと悩んでいるのではなくて、解答と解法を見て、その方法を暗記する方法は、意外と使えました。これは、単に丸暗記、というより、「自分の頭で考えて、納得しながら」やり方を覚えるととても効果があります。
情報処理技術者試験では、問題集の解法をそのまま鵜呑みにして暗記するのは危険だとは思います。でも、解けないときには解答解説を読んで、納得できればそのやり方ごと暗記するのは、使える学習法です。繰り返し学習して、答えだけでなく、「解き方」を暗記して、自分のものにしておくと、本番の試験でも対応できます。繰り返して見られて、記憶しやすいという意味で、DVDでの繰り返し学習も有効です。このとき、「自分の頭で納得しながら」というのが、最も重要なポイントになります。
その2は、「読み物で勉強する」ことです。
高校生の時、私は理系だったにもかかわらず、一番の得意科目は国語でした。
単純に、本をたくさん読んでいたし、文芸部だったので現代文が得意というのもあったのですが、古文や漢文も、結構好きで得意でした。
きっかけは、「源氏物語」でした。高校2年ぐらいのとき、中間試験の勉強から現実逃避して、読書をしていました。^^;
そのとき読んだ、田辺聖子さんの書いた現代語訳の「新源氏物語」がとても面白くて、徹夜してまではまって読み切ってしまい、そこで源氏の面白さにはまりました。筋を知ってしまうと、恋愛小説ですし、女子高生には最高に楽しい物語です。(当時、光GENJIも大好きでしたし。^^;)桃尻語訳の「枕草子」も読んで、結構楽しく読めました。
古文は、有名な文章の筋を知ってしまうと、問題はあらかた解けます。筋がわかる文章は、読みやすいので、慣れると普通に読めるようになります。ってことで、国語はかなり、得意科目になりました。
情報処理技術者試験でも、読み物シリーズは結構あります。
日経BP社の、「プログラムはなぜ動くのか」「オブジェクト指向でなぜつくるのか」などの「なぜ~」シリーズは、読み物でかなり勉強になりますし、プロジェクトマネジメントの「デッドライン」は、小説で読んでいてもかなり楽しめます。「情報セキュリティセンター24時」は、切なくなるぐらいセキュリティ犯罪の実例をレポートしていますし、「Head First Java」などは、ストーリー満載でJavaの本質が学べます。
こういった本を読むのは、その分野を好きになるためにも、とってもおすすめです。
その3は、「教科書、問題集をノートにする」ことです。
私は、重点的に学習する教科には、ノートを作っていろいろ勉強しますが、そうでない科目は、なるべく楽してすませようとしていました。そこで、意外と使えて役に立ったのは、「教科書ノート」です。これは、教科書に授業ノートの内容を書き込むもので、教科書に書いてあることは書き写さなくても良いので、すごく省力化できます。問題集なども、定期テストさえ突破できればいい「一度しか解かない」ものは、いきなり書き込んでいました。
地理とか、家庭科とかは、それで十分、それなりの点は確保できましたし、これで逆に、「これはとーっても効率的で身になる勉強法だ」ということに気づきました。以後、主要な教科でも、やるようになりました。実際、昔の教科書を見ると、数学の教科書に、そのまま答えが書き込んであったりします。
これは、実は、私は、情報処理技術者試験で、いっぱい使っています。
ネットワークスペシャリスト試験など、ちゃんと過去問を繰り返さないと解けない試験ではやりませんでしたが、そんなに労力をかけなくても受かりそうな試験では、結構やりました。
具体的には、高度論文系の午後1は内容が薄いので、あんまり本気でやらなくても、過去問3年分を1回解けば、問題パターンはつかめます。(論文系は、合否を分けるのは基本的に午後2です)。そのため、過去3年分の本試験問題が載った問題集を1冊買って、いきなり、問題集に書き込みながら学習しました。旧アプリケーションエンジニアやテクニカルエンジニア(システム管理)などは、高度事例系(ネットワークスペシャリストなど)や応用情報技術者試験に受かるぐらいの蓄積があれば、午後1はそれだけで十分です。
ポイントは、臨機応変に「繰り返す必要があるかどうか」を判断することだと思います。
ということで、私が高校時代から、もう20年ぐらい愛用している勉強法を紹介しました。
その後、効果のあった方法は、また紹介したいと思います。

情報処理技術者試験に必要な基礎力のつけ方

わく☆すた、美月です。
本日は、実家のある広島に来ております。
情報処理技術者試験に必要な力ですが、「国語力」という言い方をすると、いろんな解釈をされる方がいるかと思います。「学校の勉強なんて・・・」という人もいますし、「技術者には関係ない」と考える人も多いかと思います。
でも、国語力って、実は、よく言われる次のような力と密接に関係しています。(というか、包含してます)
・論理的思考力
・読解力
・コミュニケーション力
 (文章で人と意思疎通を取る力)
・表現力
・ドキュメント力
 (わかりやすい仕様書を書く力)
本来、学校の勉強で国語を教えるのは、社会に出て使える力を身に付けるためです。
最初に小学校で、ひらがなを覚えて、漢字を覚えて、日本語で読み書きができるようになります。そして、徐々に難しい文章を読みながら、文章から言いたいことを読み取る力を身に付けます。さらに、論理的にまとめて、言いたいことが伝わる文章を書く力を身に付けます。
一朝一夕には身につきません。そのために、高校まで、6・3・3で12年かけてじっくりやるように、学校のカリキュラムは組まれています。そこで身に付けた力をもとに、社会人になってから、いろんな仕事をやるのです。
本来、高校までの国語(現代文)をちゃんとやっていれば、文章を読んだり書いたりするときに必要な力は身に付くようにできているのです。ただ、高校までの国語レベルの内容を理解していないと、読解力などが不足して、仕事をしたり試験問題を解いたりするときに不便が出てくるのです。
社会人になってから、付け焼刃のように、この力をつけようとする講座も、いろいろ存在します。
「SEのための文章講座」「クリティカル・シンキング」「ドキュメント力養成」etc.、読解力や文章力が足りないことを自覚していると、こういうことで、何とかしたくなります。別に、それでなんとかなるレベルなら、それでいいと思います。
ただ、私が論文対策の講義などで見ていると、論文の型や、ドキュメントの形式をいくら教えても、中身の文章がわかりにくいと、やっぱりわかりにくかったりします。あと、型を教えても、それに沿って書けない人も多いです。
このあたりは、やっぱり基本的な国語力不足かな、と感じています。
こういった場合には、国語を復習するのが、一見回り道に見えて近道です。
高校生や中学生向けの参考書、最近は面白くてわかりやすいものがいっぱいあります。単に小説を読むような本ではなく、「論理的に文章を読む方法」が解説されている高校の現代文の教科書は、秀逸なものが多いです。
一度、手にとって見られるのは、とてもおすすめです。
情報セキュリティスペシャリスト試験対策などで、私はよく、国語の問題っぽく、午後の問題文から、「この文章の、「それ」は何を指しているでしょう」という質問をします。文章を読み間違える人は、こういう質問に答えられないことが多いです。大学入試の頃には、「現国なんて、何の役に立つんだろう」と思ってましたが、意外と今、役に立ってるなと感じることが多いです。
社会人なので、受験に必要なこと全部をやる必要はないと思います。
論理的な文章の読み方、書き方がわかっていればいいので、そういった実用書を読んで実践してみるのでもいいと思います。
ただ、国語っていうのは、意外と基本的な力のベースになっていますので、ちゃんとやるとあとが楽です。
ということで、わく☆すたでは、国語力をつけることを強く推奨しています。